「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

19/11/03 「https化に伴うURL変更のお知らせ」
18/07/15 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は?(解説編)」
18/06/27 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は? 機能追加のお知らせ(6/27)」
18/06/20 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は? 機能追加のお知らせ(6/20)」
18/06/06 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は? 機能追加のお知らせ(6/6)」
18/05/30 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は?」
18/05/23 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの倍音テスト(解説編)」
18/05/16 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの倍音テスト 機能追加のお知らせ(5/16)」
18/05/09 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの倍音テスト 機能追加のお知らせ(5/9)」
18/05/02 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの倍音テスト」
18/04/25 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト(おまけ解説編)」
18/04/18 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト(おまけ)」
18/04/11 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト(解説編)」
18/04/04 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト 機能追加のお知らせ(4/4)」
18/03/28 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト」
18/03/21 「50秒でできる絶対音感テスト~調(Key)当て 機能追加のお知らせ(3/21)」
18/03/14 「50秒でできる絶対音感テスト~調(Key)当て 機能追加のお知らせ(3/14)」
18/03/07 「50秒でできる絶対音感テスト~調(Key)当て 機能追加のお知らせ(3/7)」
18/02/28 「50秒でできる絶対音感テスト~調(Key)当て」
18/02/21 「音の周期性と音叉時計~特殊相対音感と一般相対音感(其の三)」
18/02/14 「音の周期性と音叉時計~特殊相対音感と一般相対音感(其の二)」
18/02/07 「音の周期性と音叉時計~特殊相対音感と一般相対音感(其の一)」
18/01/31 「20秒でできる相対音感テスト(旋律的音程)機能追加のお知らせ(1/31)」
18/01/24 「15秒でできる相対音感テスト(和声的音程)機能追加のお知らせ(1/24)」
18/01/17 「零式相対音感トレーニング~和音聴音 機能追加のお知らせ(1/17)」
18/01/10 「零式相対音感トレーニング~旋法聴音(解説編)」
18/01/03 「零式相対音感トレーニング~旋法聴音 機能追加のお知らせ(1/3)」
17/12/27 「零式相対音感トレーニング~旋法聴音 機能追加のお知らせ(12/27)」
17/12/20 「零式相対音感トレーニング~旋法聴音 機能追加のお知らせ(12/20)」
17/12/13 「零式相対音感トレーニング~旋法聴音」
17/12/06 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの可聴域テスト(解説編)」
17/11/29 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの可聴域テスト」
17/11/22 「零式相対音感トレーニング~和音聴音(解説編)」
17/11/15 「零式相対音感トレーニング~和音聴音 機能追加のお知らせ(11/15)」
17/11/08 「零式相対音感トレーニング~和音聴音 機能追加のお知らせ(11/8)」
17/11/01 「零式相対音感トレーニング~和音聴音 機能追加のお知らせ(11/1)」
17/10/25 「零式相対音感トレーニング~和音聴音」
17/10/18 「ドレミを探そう~一風変わったキーボード(解説編其の四)」
17/10/11 「ドレミを探そう~一風変わったキーボード(解説編其の三)」
17/10/04 「ドレミを探そう~一風変わったキーボード(平均律編)」
17/09/27 「ドレミを探そう~一風変わったキーボード(解説編其の二)」
17/09/20 「ドレミを探そう~一風変わったキーボード(解説編其の一)」
17/09/13 「ドレミを探そう~一風変わったキーボード(純正律編)」
17/09/06 「絶対音感テスト アラカルト(難易度★~★★★★★)」
17/08/30 「40秒でできる絶対音感テスト(ランダム聴音) 機能追加のお知らせ(8/30)」
17/08/23 「40秒でできる絶対音感テスト(ランダム聴音)」
17/08/16 「50秒でできる絶対音感テスト(無調旋律)」
17/08/09 「たとえばこんな相対音感テスト~転回和音当て(解説編)」
17/08/02 「たとえばこんな相対音感テスト~転回和音当て 機能追加のお知らせ(8/2)」
17/07/26 「たとえばこんな相対音感テスト~転回和音当て 機能追加のお知らせ(7/26)」
17/07/19 「たとえばこんな相対音感テスト~転回和音当て」
17/07/12 「たとえばこんな相対音感テスト~音律当て(解説編)」
17/07/05 「たとえばこんな相対音感テスト~音律当て(長音階)」
17/06/28 「たとえばこんな相対音感テスト~音律当て(長三和音)」
17/06/21 「相対音感と因数分解~調は共通因数、移動ドは…(其の五)」
17/06/14 「相対音感と因数分解~調は共通因数、移動ドは…(其の四)」
17/06/07 「相対音感と因数分解~調は共通因数、移動ドは…(其の三)」
17/05/31 「相対音感と因数分解~調は共通因数、移動ドは…(其の二)」
17/05/24 「相対音感と因数分解~調は共通因数、移動ドは…(其の一)」
16/09/18 「Web Audio API版 絶対音感&相対音感アプリ メニュー」

高性能な相対音感?~仮性絶対音感と潜在的絶対音感(其の一)

以前、テレビでバイオリニストの葉加瀬太郎さんが、ご自身は正確には絶対音感ではなく、 「高性能な相対音感」 と言うユニークな表現を使われていましたが、ご覧になった方も多いのではないでしょうか? 具体的には、 「『ラ』(バイオリンのA線)の音から…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の八)

「其の五」に登場した法則、 「ド○」は全て長音程(4、5度は完全音程) これは別の見方をすると、 「メジャースケール(アイオニアンスケール)」 の構成音の音程を表しています。 同様に、 「ミ○」は全て短音程(4、5度は完全音程)「ファ○」は全て長音程…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の七)

前回、変化記号の付いたパターンを取り上げましたが、変化記号に対しては別の考え方もあります。 5度音列も実際には「ファドソレラミシ」だけではなく、その後には、 「ファドソレラミシファドソレラミシファドソレラミシ」 ############## →シャー…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の六)

前回までは全て変化記号の付かないパターンでしたが、今回は変化記号の付いたパターンを考えてみましょう。 と言っても、 「#は音を半音高く、♭は半音低くする記号」 なので、変化記号がXとYのどちらに付くかによって、音程が半音狭く、あるいは広くなる…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の五)

【5度音列による長音程、短音程の見分け方】 5度音列を「ファ<ド<ソ<レ<ラ<ミ<シ」とすると、2音X、Y(低い音をXとする)は、 X<Yなら長音程(5度は完全、4度は増音程) Y<Xなら短音程(4度は完全、5度は減音程) この判断条件は簡単…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の四)

では、今度は42通りの組み合わせを度数ごとに、そしてここがポイント、基準の音を 「ファドソレラミシ」 つまり、「5度音列」の順に並べてみましょう。 長2度 長3度 増4度 完全5度 長6度 長7度 ファソドレソラレミラシミファシド ファラドミソシレファラド…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の三)

では、「ドレミファソラシド」から考えられる42通りの組み合わせを書き出してみましょう。 短2度~増4度 減5度~長7度 短2度 ミファシド ⇔⇔ ファミドシ 長7度 長2度 ドレレミファソソララシ ⇔⇔⇔⇔⇔ レドミレソファラソシラ 短7度 短3度 レファミソラドシレ ⇔…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の二)

では、まずギターの弦(ここでは1本だけ)に着目し、「ドレミファソラシド」の並びを確認してみましょう。 五線譜や鍵盤楽器の上では「ドレミファソラシド」が視覚的(距離的)に等間隔に見えますが、実際には、 「『ドレミファソラシド』は等間隔に並んで…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の一)

みなさんの中には、 「音程計算が苦手」 と言う人もいるかも知れませんが、そんな人でも 「ドレ」は長2度「ドミ」は長3度「ドファ」は・・・ と言った具合に、 「『ド』を基準とした音程」 だけは音程計算することなく、瞬時に答えられる人も多いのではない…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十五)

手品ではお決まりの文句、 「種も仕掛けもありません」 ですが、実際には手品に限らず物事には種も仕掛けも、言い換えれば、 「原理や仕組み」 があるはずです。 では、どんな原理なら正確な音を取れるでしょうか? その真偽は別として、 「絶対音感は音の高…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十四)

1オクターブ離れた「ド」の音は物理的には明らかに高さ(周波数)の異なる別の音です。 また、同様に移調された曲は物理的には明らかに高さ(周波数)の異なる別の曲です。 にもかかわらず、人間にはどちらも同じ「ド」の音、あるいは同じ曲として認知され…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十三)

そもそも曲の中には、 「この音が調(調性上の主音)ですよ」 と言った目印がある訳でもないのに、 「どうして基本周期が自然と調に設定されるのか?」 今回はそんな基本周期、そして調性音楽の不思議をほんの少しだけ考えてみたいと思います。 まずはゲシュ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十二)

絶対音感と相対音感が共存可能だと仮定すると、実はいくつかの実現パターンが考えられます。 1つ目は、 「固定された音名のものさしと伸縮する階名のものさし、 この2つのものさしが完全に独立した仕組み、次元」 具体的には例えば仮説①のように、 「音名…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十一)

「Cメジャースケール」と「Dメジャースケール」 前者は基本周期を「C」、後者は「D」、つまり、調に合わせて周波数成分の分析を行うと、周波数成分sin ntのnはどちらも同じ、 「n=1,9/8,5/4,4/3,3/2,5/3,15/8,2(純正律の場合)」 になります(これは「…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十)

もし絶対音感保持者の中に、 「ものさしが伸縮する感覚が分からない」 と言う人がいてもそれは何ら不思議なことではなく、なぜなら絶対音感の習得には相対音感が発現していない、言ってみれば、 「ものさし(≒基本周期)が伸縮しないこと」 が前提条件とされ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十九)

みなさんの中には移調楽器と聞いて、 「相対音感が必要、あるいは相対音感が鍛えられる」 そんなイメージを持っている人もいるかも知れませんが、移調楽器と言うのは単にこのように、 音名のシラブル(ラベル)が論理的にスライドする、例えば「B♭」→「C」…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十八)

ここで、 「周波数と音名と階名の関係性」 について改めて考えてみたいと思います。 上図は何となく私が予想する一般的なイメージですが、実際には周波数上、半音は等間隔に並んでいないため、目盛りをそのままスライドしても目盛りが合いません。 音律は周…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十七)

実は基本周期となる音名(周波数)が求まらなくても、周波数成分sin ntのnだけで音名を判別する方法が1つだけ考えられます。 それは、 「相対音感のように基本周期が調に合わせて伸縮しない」 つまり、 「基本周期が特定の音名(周波数)に固定されている」…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十六)

「絶対音感保持者=優れたフーリエ解析能力の持ち主」 そんなイメージを持っている人もいるかも知れませんが、もし実際に絶対音感がフーリエ解析に相当する 「周波数成分の分析を介して実現されている」 のであれば、音名を判別するためにはまず、 「基本周…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十五)

絶対音感は合成波から取り出された個々の周波数成分から直接(周波数成分を分析する前に)音名を判別している、つまり、 「周波数成分の分析を介さずに実現されている」 と仮定してみましょう(仮説①)。 この段階ではまだ合成波から周波数成分を取り出すだ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十四)

「絶対音感と相対音感は共存できるか?」 この問題に対しては、 「別々の能力だから共存できる」 と言う意見、反対に 「排他的な能力だから共存できない」 と言う意見、どちらも見掛けたことがありますが、絶対音感と言うものが、また相対音感と言うものが科…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十三)

相対音感は単純に音が高い低いと言う感覚、つまり、 「トーン・ハイト層で実現」 されていると考えている人も多いかもしれませんが、フーリエ解析に相当する周波数成分の分析を通して、つまり、 「トーン・クロマ層で実現」 されていると私は考えています。 …

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十二)

コンピュータの世界には7つの階層で構成される 「OSI参照モデル」 と呼ばれる通信機能に関するモデルがあるそうですが、音感についてもこのOSI参照モデルのように、 「いくつかの階層」 に分けて考えてみたいと思います。 まず「其の二」では、 「人間の耳…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十一)

フーリエ解析とは一見何ら関係ない話題のようですが、今回は音を外す原因、いわゆる 「音痴の原因」 について考えてみたいと思います。 では、音を外す原因を 「頭の中に正しい音高をイメージできているか?いないか?」 この2つに大別してみましょう。 ま…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十)

人間が絵や模様、風景と言った視覚情報に対して、 「美しい」 と感じる要因は様々だと思いますが、その1つに 「比」 と言う概念が挙げられるのではないでしょうか? 「黄金比」や「白銀比」はその分かりやすい例ですが、人間は絶対的な大きさに対して、例え…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の九)

これは「2のべき乗」に対して目盛りを振ったものさしですが、音楽を測定するときはこのものさしが非常に役に立ちます。(2の0乗は1、2のマイナス1乗は1/2になります) 例えば1拍(4分音符)の長さを「1」と考えると、音価はこのように表すことが…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の八)

物の量は適切な単位で測定するからこそ意味があります。例えば「拍」を単位に設計されたリズムは「秒」ではなく、「拍」で測定するからこそ音楽的な意味が見えてくるように、音の高さも 「人間にとって意味のある単位」 で測定するからこそ初めてそこに音楽…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の七)

みなさんはポンと1音だけ提示されたときその音価を、つまり、 「何音符なのか?四分音符なのか?八分音符なのか?」 を判別できますか? 「音の長さ」は音のまとまり(ゲシュタルト)の中で初めて四分音符、八分音符と言った判別が可能になる、つまり、 「…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の六)

調が変わる度に単位となる基本周期が伸縮してしまったら、 「一貫した正確な量を測れなくなってしまうのでは?」 と心配する人がもしかしたらいるかも知れませんが、実は誰もが当たり前のように、 「単位を伸縮することで柔軟に対応」 している音楽的な要素…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の五)

わざわざフーリエ解析を引き合いに出すまでもなく、 「比の基準が定まらなければ比を取ることができない」 これは、例えば長さの単位「メートル」であれば、3mは1mの3倍、1kmは1000倍と言った具合にその量は全て「単位に対する比」で表されますが、つ…