「絶対音感の終焉」

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絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十八)

 

ここで、

「周波数と音名と階名の関係性」

について改めて考えてみたいと思います。

 

f:id:raykawamoto:20160309123532g:plain

 

上図は何となく私が予想する一般的なイメージですが、
実際には周波数上、半音は等間隔に並んでいないため、
目盛りをそのままスライドしても目盛りが合いません。

 

f:id:raykawamoto:20160309123658g:plain

 

音律は周波数の「差」ではなく、「比」なので、
「スライド」ではなく、「伸縮」する必要があります。

 

f:id:raykawamoto:20160309123747g:plain

 

相対音感を言葉で説明するのは非常に難しいのですが、
この図はその本質を見事に体現しています。

まず、階名/移動ドの実体は単なる

「間隔尺度」

ではなく、音名/固定ドと同じく、

「絶対零点を持つ比率尺度(比例尺度)」

であることが分かります(音程計算にはこれを

「対数間隔尺度」

として利用していると考えられます)。

また、音名は階名(の無限に存在する縮尺率)の

「ある一時点を指しているに過ぎない」

ことが分かります。

だから、例えば階名の縮尺率が下図のような場合、
音名で測定するのは困難になります。

 

f:id:raykawamoto:20160325202911g:plain

 

相対音感は2つの音を比べたとき、
 どちらが高いか?あるいはその音程が分かる能力」

と言った説明をしばしば見掛けることがありますが、
このように縮尺率(≒基本周期)を決定するためには、

「個々の音高、個々の音程」

と言ったミクロな単位ではなく、

「全体のバランス、音のまとまり(ゲシュタルト)」

と言ったマクロな単位で捉える必要があることからも、
相対音感は決してそのような単純な能力ではないこと、
そうした説明がいかに的を射ていないかが分かります。

確かに2つの音が提示されたとき、
その音程が分かると言う人も多いと思いますが、
実はその「2音」と言う関係性もまたゲシュタルト
言ってみれば、

「ゲシュタルトの最小構成単位」

なのでは?と言う話は以前にもした通りで、
決していきなりポンと音程だけが求まるのではなく、
基本周期が決定して初めて音程や階名が求まります。

これは、

「単位が決定して初めて物の量を測ることができる」

のと全く同じ道理です。

 

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ちなみにこの原理はリズムを捉える原理と全く同じです。

 

f:id:raykawamoto:20160309124133g:plain

 

音の高さとリズムでは一見全く異なる概念のようですが、
音の高さを表す周波数(1秒間の振動数)と言う単位は
周期(1回の振動に要する時間)の逆数を取ったもので、
実はどちらも

「時間」

と密接な関係にあります。

(次回に続く・・・)

 

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