コンピュータの世界には7つの階層で構成される
と呼ばれる通信機能に関するモデルがあるそうですが、
音感についてもこのOSI参照モデルのように、
「いくつかの階層」
に分けて考えてみたいと思います。
まず「其の二」では、
「人間の耳自体がフーリエ変換器の役割」
具体的には音が周波数に応じた電気信号に変換される
と言う話(CGを使った動画の紹介)をしましたが、
この段階ではまだ合成波から周波数成分を取り出すだけで
周波数成分同士の関係性については分析されておらず、
単純に周波数の大小に対応した音が高い低いと言う感覚、
いわゆる、
「トーン・ハイト」
が生じると考えられます。
「フーリエ解析に相当する周波数成分の分析」
が行われているのでは?と言う話をしましたが、
この段階でようやく周波数成分同士の関係性、
具体的には基本周波数(=調)に対する周波数成分の比、
「sin ntのn」
が求まると考えられます。
実はこの周波数成分sin ntのnに対応した感覚が、
「トーン・クロマ」
なのでは?と私は考えています。
※トーン・ハイトとトーン・クロマについては コチラを参照
このとき、例えばnが完全5度を表す3/2の場合、
3/2 = 1.5と言う定量的な数値ではなく、
3と2と言う整数の組み合わせから生じる
「協和と呼ばれる定性的な概念」
が重要だと言う話はコチラの記事を参照してください。
ここではこの2つの層をそれぞれ
「トーン・ハイト層とトーン・クロマ層」
とし、さらにその上位層として、
「和声層」
とも呼ぶべき音楽理論に対応した層を想定してみましょう。
では、
「相対音感は一体どの層で実現されているのでしょうか?」
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