2014-01-01から1年間の記事一覧
みなさんはこちらのツイートを見たことがありますか? 絶対音感と相対音感の違いをボールでわかりやすく例えてみた。 今回は私の思い描いている絶対音感、相対音感像をこの例えに当てはめて考えてみたいと思います。 では、まず時速70kmの赤いボールと時速50…
音感の教本に限らず楽器の教本も音名(固定ド)で説明されているものが多いのではないでしょうか? 特に絶対音感保持者の書いた本は音名(固定ド)で説明されているものが多いようです。 中には五線譜を音名で読むことで、 「音名で音が聴き取れるようになる…
音名「C」を基準音として固定ド(音名)で「ソラシ」 と視唱するのと、 音名「G」を基準音として移動ド(階名)で「ドレミ」 と視唱するのでは、「結果的」にはどちらも同じ 音名「GAB」 の音高が得られます。 ※純正律では微妙に音高が違ってきますが、…
みなさんはイギリスの音楽教育法、 「トニックソルファ法」 をご存知ですか? トニックソルファ法と言えば階名唱(移動ド唱)をするときに変化記号の付いた階名、例えば 「ド♯(ドシャープ)」を「ディ」 のように読ませる方法を思い浮かべる人も多いかも知…
反固定ド/音名教育と言えば、 「東川清一先生」 の名前を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか? 移動ドのすすめ―正しい読譜法と視唱指導 作者: 東川清一 出版社/メーカー: 音楽之友社 発売日: 1985/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る …
「音名(固定ド)と階名(移動ド)」 音楽的にはどちらも必要な概念ですが、相対音感にとって重要な概念は「階名」だと、だから、 「まず最初に階名ではなく音名で音を捉えようとする アプローチ自体が根本的に間違っているのでは?」 と私は考えています。 …
例えば、 「ピアノなら2つ並んだ黒鍵の左下の白鍵」「ギターなら5弦3フレット」等 を指して、 「ここが『ド』です」 と教えることはごく一般的に行われていることで、おそらく多くの人はこの教え方に何の疑問も持っていないと思いますが、実はこれは 「間…
前回に引き続き、ギターのチューニング(調弦)です。 ギターは平均律、ハーモニクスは純正律なので、5フレットと7フレットをハーモニクスで合わせる方法ではギターを正確にチューニングできません。 ただ、ハーモニクスによるチューニングは合わないと言…
「みなさんはギターをチューニング(調弦)するとき、 どのようにチューニングしますか?」 おそらく多くの人が一番最初に覚える方法は 「5フレットと開放弦を実音で合わせる方法」 ではないでしょうか? そして、次に 「5フレットと7フレットをハーモニ…
「其の四」の絶対音感訓練中の子供の例に出てきた 「移調のミス」 の現象ですが、実は音感を考える上で非常に重要なヒントになると私は考えています。 絶対音感訓練の上では「悪い傾向」とみなされているこの現象も人間の成長過程から見れば「正常な傾向」で…
「絶対音感は調性が分からない」 と主張する人がいる一方、 「ハ長調にはハ長調の調性が、ト長調にはト長調の調性があり、 その違いを判別できる」 と言う絶対音感保持者もいます。 しばしば「調」の意味合いで「調性」と言う言葉を使う人が見受けられますが…
スタティックな音感は周波数比を捉えるための基準が特定のピッチに固定されていることで、本来判別できない音名を判別できるようになると考えられます。 しかし、それは裏を返せば 「ピッチを合わせて聴くことができない音感」 とも言えます。 スタティック…
「実は絶対音感保持者は頭の中に単音(単独)で 階名の『ド』をイメージすることができないのでは?」 と私が予想する理由は何でしょうか? 「其の四」の絶対音感訓練の子供の例からも分かるように、絶対音感はダイナミックな音感の発現が抑制されることで実…
みなさんに質問です。 「頭の中に階名の『ド』をイメージすることができますか?」 多くの人は頭の中に階名の「ド」を単音(単独)でイメージすることができると思います。 おそらくこのとき、調も基準ピッチも関係なく、全ての調において階名の「ド」が持つ…
周波数比を捉えるための基準が特定のピッチに固定された 「スタティック(静的)な音感」と 周波数比を捉えるための基準がフレキシブルに移動する 「ダイナミック(動的)な音感」、 それが音楽的に優れた能力かどうかと言う議論はさて置き、単純に脳の処理…
実際、幼児期に行われる絶対音感訓練の中で順調に訓練が進んでいる子供は聴音で 「音名(固定ド)の『ド』を『ド』」 と答えます。 しかし、順調に訓練が進んでいた子供でも訓練が進むにつれて調(調性上の主音)、つまり 「階名(移動ド)の『ド』を『ド』…
「絶対音感の脳の左右差は左脳の発達によって起こる」 のではなく、 「絶対音感は脳の左右差は右脳の発達の抑制によって起こる」 と言うキーナン博士の研究結果を見て、私は妙に納得させられる部分が多かったのですが、みなさんはどう感じましたか?意外でし…
ところで、シュラーグ博士の論文がどうして 「絶対音感の左脳が2倍に発達している」 と言う間違った内容で広まってしまったのでしょうか? これはおそらく 「絶対音感は優れた能力である」 と言う思い込みによって、もしくはそう思い込ませたい人達によって…
これは、 「絶対音感を身に付けると左脳が2倍に発達する」 と主張している人達がこぞってその根拠としているゴットフリード・シュラーグ博士※が発表した論文に掲載されているデータを抜粋したものです。 ※「Schlaug」は「シュラウク」と表記されている場合…
ギターには代表的なスケールポジション(ボックススケール)が3つあります。 ①5ポジション 「全音+全音」(ストレッチの指使い)を含まない最も一般的なタイプ。 ②3ノートパーストリング 名前の通り1本の弦につき3音ずつ配置したタイプ。 ③固定式 名前…
音楽理論の解説にギターやバイオリンの 「指板図」 を利用している本はたくさんありますが、いずれも指板の特性を完全には生かしきれていません。 「バーティカルライン理論」 は指板の特性を最大限に利用し、音楽理論を解説する、と言うよりは指板図に縦線…
「バーティカルライン」とは何か? 日本語に訳せば、これは単なる 「縦線」 です。 鍵盤楽器や管楽器では基本的に1つの音高は1つの押さえ方しかなく、当然「ドレミファソラシド」の押さえ方も一通りしか存在しませんが、弦楽器上では 「異弦同音」 と言っ…
今日はご報告があります。 実は本日、Amazon KDPより新刊の配信を開始しました。 タイトルは 「バーティカルライン理論Ⅰ」 です。 今回の内容は「音感」ではなく、 「弦楽器上でいかにスケールを探し出すか?」 とてもシンプルで簡単な理論を本にまとめてみ…
「調」に限らず、その言葉が本来の意味とは違う形で使われてしまうのは、絶対音感者と非絶対音感者の周波数比の捉え方、つまりクロマの認知の仕方の違いが関係しているのでは?と私は考えています。 その最たるものは、元々「階名」を表していた 「ドレミフ…
12の調とメジャー/マイナーの2つのモード(旋法)、全部で24通りの組み合わせが存在しますが、これをクロマの組み合わせで分類してみましょう。 本来モードは 「クロマの組み合わせ」 なので移調してもモード、つまりクロマの組み合わせは変わらないた…
「絶対音感は音名のクロマを聴き分ける」 と言われていますが、実際には 「音名にクロマは存在しない」 と私は考えています(詳細はこちらを参照)。 しかし、絶対音感が音名にクロマを感じると言うことは、非絶対音感者のように周波数比を捉えるための基準…
では、「モード(旋法)」をトーン・クロマ次元から考えてみましょう。 「調」を周波数比を捉えるための基準、つまりクロマを認知するための基準とすると、 「モードはクロマの組み合わせ」 と考えることができます。 例えばメジャーモード(長旋法)は 「ド…
トーン・クロマ次元からこの 「調」と「モード」 と言う概念を考えてみたいと思います。 「ドレミファソラシド」は「音律」と呼ばれる「周波数比」が基盤になっていてます。 また、「(周波数)比」を捉えるには「(音を)比較する」必要があります。 そして…
今では「調」と言えば、 「調性上の主音の音名」(ハ長調の「ハ」の部分) と 「モード(旋法)」(ハ長調の「長」の部分) の両方を意味することが多いですが、「其の一」で取り上げた通り本来両者は明らかに別々の概念であって、これらの概念が混同されて…
実は音感について考える上で、 「調」 と言う概念が非常に重要になります。 調と言えば、 「長調/短調」 を思い浮かべる人も多いかも知れませんが、元来それは 「調ではありません。」 長調、短調は元々英語で 「メジャーモード/マイナーモード」、 モード…