2014-01-01から1年間の記事一覧
「自分には音感がない」 と思っている人も、実は無意識下では音に対してかなり高度で複雑な認知処理が行われていると考えられます。 移調した曲を同じ曲と認識できるのも、移調した伴奏に合わせて歌うことができるのもその証拠と言えるでしょう。 ただ、ここ…
「人間の感覚が周波数比に対応」 していることは疑いのない事実だと思います。 ただ、 「音を周波数比で認知している」 とこれまで簡単に言ってきましたが、実は 「大きな謎」 が1つ残ります。 当然のことですが、 基準がなければ比をとることはできません…
「自分には音感がない」 と思っている人も、おそらくほとんどの人は「ドレミ」を意識することなく、感覚的に、移調した曲を聴けばそれが同じ曲であることが分かります。 これは正しく音を周波数比で認知している証拠です。 また、移調した伴奏に合わせて歌う…
音は空気の振動によって伝わります。 このとき、1秒間の振動数(これを 「周波数」 と言います)が大きいほど音が高く、小さいほど低く人間には感じられます。 つまり、音の高さはこの周波数で決まります。 もし、人間がこの周波数で曲を記憶しているのであ…
「自分には音感がない」 そんな風に思っている人も多いのではないでしょうか? おそらくそう思っている人が思い浮かべる音感、そして手に入れたいと思っている音感のイメージは これは「ド」、これは「レ」 のように音高を言い当てる能力ではないでしょうか…
本ブログでも度々登場していますが、『歌うネアンデルタール』の中で 「(言語学習に問題のある)自閉症や音楽サヴァンには 絶対音感が多い」 と言う研究結果が取り上げられています。 歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化 作者: スティーヴ…
さて、10の 「絶対音感、相対音感にまつわるウソ、ホント」 を取り上げてきましたが、いかがでしたか? ①絶対音感を身に付けると左脳が2倍に発達する? ②絶対音感は一度身に付けると失われることはない? ③絶対音感は音名のクロマを聴き分ける? ④絶対音…
「絶対音感は大人になってからでは身に付かないが、 相対音感は大人になってからでも身に付く」 これも「半ば定説」のように言われていますが、やはりこの説に対しても私は疑いを持っています。 と言っても、残念ながら 「絶対音感は大人になってからでも身…
「絶対音感と相対音感は共存できる」 と主張する人がいる一方、 「絶対音感と相対音感は排他的な能力で共存できない」 と主張する人もいます。 この辺りは 絶対音感と相対音感の定義について(其の一) でも書きましたが、結局のところ 「絶対音感と相対音感…
「絶対音感は音を1つ1つ個別に捉えるために 音楽的な連なりとして捉えることができない」 これは絶対音感に対して懐疑的な人達の主張のようですが、どうやらこの主張の根拠の1つとなっているのは、絶対音感は移調した曲を同じ曲として認識できない、つま…
「絶対音感は音を比較しない、 相対音感は音を比較する」 と言うイメージを持っている人も多いのではないでしょうか? しかし、実際には絶対音感も相対音感も観測点が違うだけでどちらも音を周波数比で捉えていると考えられます。 つまり、 「(周波数)比」…
「絶対音感は音高を、 相対音感は音程を判別する」 これも確かに表面的にはそのように見えるかも知れませんが、 「実は大きな勘違い、思い違いをしているのでは?」 と私は考えています。 人間の音に対する感覚が、 「それが脳のどの部分でどのように認知さ…
「大人になるにつれ、 トーン・クロマへの依存傾向が減少し、 トーン・ハイトへの依存傾向が増加する」 に関しては前回の「其の五」とも大きく関係しますが、トーン・ハイトへの依存傾向が増加するのではなく、 「トーン・クロマの観測点が変化する」 と私は…
本ブログでは度々登場していますが、「ドレミファソラシド」は「音律」と呼ばれる 「周波数比」 が基盤になっています。 この周波数比の違いが人間には 「クロマ」 として認知されます。 (周波数)比と言うことは(音を)比較すると言うこと、そして、比を…
今回から3回に分けて、 「クロマにまつわるウソ、ホント」 を検証したいと思います。 その前にまず、 「トーン・クロマ、トーン・ハイトって何?」 と言う人はこちらの記事を参照してください。 「クロマ」とは? さて、 「絶対音感は音名のクロマを聴き分…
「絶対音感は一度身に付けると失われることはない」 と言われることがありますが、実際には加齢と共にピッチが半音や2半音ずれて聴こえるようになったと言う報告もあるようです。 絶対音感保持者が一部の風邪薬を服用するとピッチがずれて聴こえると言う現…
「絶対音感を身に付けると左脳が2倍に発達する」 と聞いて、みなさんはどのような印象を受けますか? 単に「2倍」と言ってもその対象は何なのか?「大きさ」を指しているのか?それとも「能力」や「働き」を指しているのか? また、何と比べて2倍なのか?…
これらは書籍やネット上で見掛ける 「絶対音感、相対音感に関する説明」 をまとめたもので、おそらくみなさんも目にしたものがあるのではないでしょうか? ・絶対音感を身に付けると左脳が2倍に発達する ・絶対音感は一度身に付けると失われることはない ・…
3倍またたく「きらきら星」 - YouTube 「3倍高密ピアノ」上で1/6音単位に移調した場合、絶対音感のように 「ピッチがずれていると感じる感覚」 そして、移調先の調に自分のピッチを合わせる能力、つまり 「ピッチが合っていると感じる感覚」 この2つの…
3倍超絶技巧「ラ・カンパネラ」 - YouTube 絶対音感の世界では、 「3倍高密ピアノ」 上で1/6音単位に移調した場合、 「ピッチがずれている」 あるいは 「ピッチのずれが気持ち悪い」 と感じるのが正しいと言えるかも知れませんが、 絶対音感のない世界で…
3倍めぐる「四季(春)」 - YouTube 「3倍高密ピアノ」上で1/6音単位に移調した場合、絶対音感のように 「ピッチがずれている」 と感じることが、またピッチのずれが気持ち悪いと感じることが果たして 「音楽を音楽として聴くために必要な感覚」 と言え…
3倍かけまわる「子犬のワルツ」 - YouTube 「3倍高密ピアノ」には、通常のピアノにはない 「1/6音高い鍵と1/6音低い鍵」 が存在します。 そして、絶対音感上で 「ピッチがずれている」 と感じるのは、おそらくこれらの鍵に対してではないでしょうか?…
みなさんはAGF(味の素ゼネラルフーズ)の 「3倍高密ピアノ」(Music of THE TRIPLE) を聴いてどのように感じましたか? 3倍濃厚な「運命」 - YouTube ・気持ち悪い・不協和音・ピッチがずれている・調律の狂ったピアノ 絶対音感のあるなしにかかわらず、そ…
これは絶対音感と脳(側頭平面)の発達を主張する人達が、こぞってその根拠としているゴットフリード・シュラーグ博士の論文(米サイエンス誌、1995/2/3)から抜粋した実際のデータです。 A、B、Cのうち「絶対音感の音楽家の脳」はどれでしょうか? 【正…
絶対音感と相対音感の違いは 「観測点(基準音)の違い」 と再三述べてきましたが、具体的には ・絶対音感の基準音=通常音名「C」 ・相対音感の基準音=調性上の主音、つまり階名の「ド」 と言うことになります。 では、基準音が違うと何が変わるのでしょ…
前回までは 「絶対音感と相対音感の違いは観測点の違い」 と言う点をボールの例えにそのまま当てはめたため、 「青いボールが観測点」 と言うのは少しイメージしにくかったかも知れません。 そこで、今回は「青いボール」を「青い電車」に置き換えます。 時…
相対音感では観測点(青いボール)において、 「赤いボールから時速20km、緑のボールから時速40km」 と言う速度を感覚として体感することはできますが、 「赤いボールと緑のボールの差が時速20km」 と言う値、つまり実際に緑のボールから時速20kmと言う速度…
「絶対音感は『音高』を、 相対音感は『音程』を判別する能力」 と言われることがありますが、果たして本当にそうなのでしょうか? 実は見掛け上、表面的にそう見えるためにみんなそう錯覚してしまっているだけではないか?と私は考えています。 絶対音感は…
「ドレミファソラシド」は「音律」と呼ばれる「周波数比」が基盤になっています。 そして、「(周波数)比」と言うことは、「(音を)比較する」と言うことです。 「ドレミファソラシド」が「ドレミファソラシド」と聴こえるためには、人間がそれを認知する…
「絶対音感があれば、相対音感もある」 と言う発言を時々見掛けることがあります。 確かに絶対音感があれば「70マイナス50」と計算することで、赤いボールと青いボールの差が時速20kmだと分かりますが、それは単に時速20kmと言う値を論理的に把握しているに…