「3倍高密ピアノ」上で1/6音単位に移調した場合、
絶対音感のように
「ピッチがずれていると感じる感覚」
そして、移調先の調に自分のピッチを合わせる能力、
つまり
「ピッチが合っていると感じる感覚」
この2つの感覚が、
「相反する感覚」
であることは言うまでもありません。
実はこの
「移調先の調に自分のピッチを合わせる能力」、
絶対音感訓練の中では
「移調のミス」
と呼ばれ、非常に悪い傾向とみなされています。
そして、本来は自然と発現するこの能力の発現が
抑制されることで絶対音感が維持されると考えられます。
この能力が発現していなければ、
絶対音感が音名を判別できること、
そして移調に弱いことにも合理的に説明が付きます。
なお、絶対音感が身に付くタイムリミット、
いわゆる「臨界期」が6、7歳と言われているのは、
この能力が発現する幼児期と一致します。
そうして考えると臨界期があるのは絶対音感にではなく、
「移調のミス」
つまり、
「移調先の調に自分のピッチを合わせる能力」
のほうにあるとも考えることができます。
(了)
3倍高密ピアノと音感の深い関係