「調」に限らず、
その言葉が本来の意味とは違う形で使われてしまうのは、
絶対音感者と非絶対音感者の周波数比の捉え方、
つまりクロマの認知の仕方の違いが関係しているのでは?
と私は考えています。
その最たるものは、元々「階名」を表していた
「ドレミファソラシド」
が「音名」としても使われるようになってしまったことでは
ないでしょうか?
「調性格」と言うものが実際存在するかどうかは
また別の議論になりますが、本来
調 ≠ 調性 ≠ 調性格
で、3つはそれぞれ明確に異なる概念ですが、
みなさんはこの3つの言葉を
調 ≒ 調性 ≒ 調性格
のように何となく曖昧に区別なく使っていませんか?
「絶対音感は調性が分からない」
と言う人がいる一方、
「ハ長調にはハ長調の調性が、ト長調にはト長調の調性があって、
その違いを判別できる」
と言う絶対音感者もいますが、
後者が指しているものは調性ではありません。
・階名が分かると、調性(トーナリティ)が分かります。
・階名と音名が分かると、調(キー)が分かります。
・音名だけ分かっても調も調性も分かりません。
そもそもクロマの認知の仕方が違っている時点で、
このように話に食い違いが出てくるのも
当然のことかも知れません。
(了)
「調」と「モード」
(其の六) (其の七)