長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の十)
おそらく多くの人は感覚上、
「音程と言う概念が単独で存在している」
と考えているのではないでしょうか?
しかし、
と言うことはあくまでも音程は調性上の概念、
つまり、
と私は考えています。
例えば音程だけを頼りに、
長3度上→長2度下→短3度上→・・・
と言った具合に音と音の間を移動するのは、
前→右→左→・・・
と地図を見ずにダンジョンの中を進んで行くようなもので、
それではすぐに自分の位置情報(調性)を見失ってしまいます。
一見、音程を頼りに音と音の間を移動しているようで、
実は
「調性と言う地図の上の
あらかじめ決められたルートを移動している」
そして、その移動距離を結果的に
「音程と言う概念で表現しているに過ぎない」
と私は考えています。
そもそも、
「音と言う刺激」
は決して音と音の間、つまり音程にあるのではなく、
あくまでも「音そのもの」にあるはずです。
では、その刺激は何によって決まるかと言えば、
それは音の観測点である
「調、つまり調性上の主音との位置関係」
によって決まると考えられます。
ちなみに調性上の主音からの音程を「音度」と言いますが、
結局和音が持つイメージは和音の構成音間の音程ではなく、
「和音の構成音の音度によって決まる」
と言えるでしょう。
(了)
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