旋律的音程のように時系列上、別々に鳴った音を
「時間を跨いで」
比較し、その協和を感じ取るためには、
「記憶が介在」
していると予想されますが、では具体的には
どのように実現されているのでしょうか?
まずは単純に2音のケースで考えてみましょう。
2音X、YがX→Yの順に別々に鳴ったとき、
①Xが鳴ったとき、Xが記憶される
②Yが鳴ったとき、記憶にあるXと比較される
おそらくこのような予想になるのではないでしょうか?
では、3音以上のケースではどうでしょうか?
n音X、Y、Z、・・・がX→Y→Z→・・・の順に
別々に鳴ったとき、
①Xが鳴ったとき、Xが記憶される
②Yが鳴ったとき、記憶にあるXと比較される、
と同時にYが記憶される
③Zが鳴ったとき、記憶にあるYと比較される、
と同時にZが記憶される・・・(以下繰り返し)
と言ったパターンがまず考えられますが、
実はこのように
「常に1つ前の音を記憶し、記憶した音と比較する」
と言う考え方ではいくつかの矛盾が生じてしまいます。
実際、音楽を聴くときに常に1つ前の音を記憶し、
比較すると言った作業を意識的に行っている人は
いないのではないでしょうか?
「相対音感は音程」
と言う漠然とした説明は、
に例えればn=2のとき成り立つことだけが示され、
肝心なn≧3のとき成り立つことが示されていないようなもので、
「実はこのn≧3のとき、
どのような仕組みで協和を感じ取っているのか?」
こそが、
「相対音感を紐解く鍵」
だと私は考えています。
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