長三和音の第1転回形には、
「短3度」と「短6度」
の2つの短音程が含まれているのに対し、
長音程は1つも含まれていませんが、
「転回前と変わらず明るい雰囲気」
を保っています。
和音の転回を「音程」と言う視点から見てみると、
和音を構成する音程の組み合わせが変化するため、
雰囲気が変化したとしても不思議ではありませんが、
実際には和音の一部をオクターブ上げ下げしても、
「オクターブ等価」
によって基本的に和音の雰囲気が変わることはありません。
「其の一」では、
「長三和音の短3度」や「短三和音の長3度」
のように
「その音程の性格が影を潜める」
ケース、そして「其の二」では、
「長三和音の第1転回形の短6度」や
「短三和音の第1転回形の長6度」
のようにその音程ではなく、
「その転回音程の性格が顔を出す」
ケースを取り上げましたが、どうやら人間は
「ただ漠然と音程と言う概念を捉えている訳ではない」
具体的にはn個の音が提示されたとき、
数学的には
「nC2=n!/2!(n-2)! 通り」
の音の組み合わせが考えられますが、
このとき、
「nC2通りの音程を個々に捉えるような仕組みで
音を認知している訳ではない」
ようです。
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