みなさんは、
「調性(Key)」
のような表記を見掛けたことがありませんか?
このようにしばしば調の意味合いで調性と言う言葉が
使われることがありますが、
「調(Key)」と「調性(Tonality)」
もまた、
「異なる次元上の概念」
になります。
調性は例えば、
・「ド」=「主音」
・「シ」=「導音」
のように
「移動ド次元での各音の役割」
を指します。
移調すれば当然、調次元上の調は変わりますが、
「移動ド次元は平行移動するだけ」
なので、当然移動ド次元上の概念である
「旋法(クロマの組み合わせ)、
および調性(各音の役割)は変わりません。」
また、言葉は似ていますが、
「調性と調性格もまた異なる概念」
です。
ところでみなさんは、
「調によって曲の雰囲気が変わる、
いわゆる調性格は存在すると思いますか?」
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ジョン・パウエル博士の『響きの科楽』の中で、
「どの調で演奏されても印象は変わらない」
と言う調査結果が掲載されていましたが、
この調査のおもしろいところは、
「絶対音感を持たない学生が対象で、
そのうち3/4は調性格が存在すると考えていた」
と言う点です。
「其の四」でも触れましたが、
移調と言う操作は半音上に移調するごとに
各音の周波数に2の12乗根を掛ける、
つまり、移調された曲は周波数上、
「相似の関係にある」
と言えますが、こうして考えると実は
「調は単なる相似比」
に該当する概念でしかなく、
2次元(相対音感)の世界には
「調性格は存在しない」
と私は考えています。
もし、2次元(相対音感)の世界に
調性格が存在すると考えている人は、
各音の周波数に一定数を掛けることで
「どうして調性格が生じるのか?」
これを合理的に説明できますか?
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