では、「其の四」のおさらいも兼ねて、
移調と言う操作を
に当てはめて考えてみましょう。
まず、2次元の相対音感では移調、つまり調の変化は
調のピント自動調節機能によって
「縦軸のシフト」
になるため、
「縦軸(調)だけが変化し、
横軸(周波数比、つまりクロマ)は一切変化しない」
簡単に言えば、
「『ドレミファソラシド』を何調に移調しても感覚上、
『ドレミファソラシド』のまま変わらない」
と言うことです。
一方、1次元の絶対音感では縦軸がないため、
(調のピント自動調節機能を持たないため)
調の変化を縦軸で吸収することができず、
「横軸のシフト」
で対応することになります。
横軸のシフトと言うことは、
「横軸(周波数比、つまりクロマ)が変わってしまう」
簡単に言えば、
「『ドレミファソラシド』を移調するとそれは最早
『ドレミファソラシド』ではなくなる」
と言うことです。
絶対音感保持者の中には、
・移調した曲が別の曲に聴こえる
(移調した曲を別の曲として覚える)
・移調した伴奏に合わせて唄えない
(カラオケは原曲キーでなければ唄えない)
と言った症状を持つ人がいるようですが、
その原因は移調によって
「クロマ感覚(横軸)が変わってしまう」
点にあると考えられます。
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