「転調」もまた厳密には、
・調 が変わる「転調」
・旋法が変わる「転旋」
に分類され、その意味も効果も大きく変わってきます。
2次元(相対音感)の世界では、
・「転調」は 調 次元(縦軸)の変化
・「転旋」は移動ド次元(横軸)の変化
(クロマの組み合わせの変化)
例えば、
・属 調の「ハ長調→ト長調」は「転調」
・同主調の「ハ長調→ハ短調」は「転旋」
・平行調の「ハ長調→イ短調」は「転調/転旋」
になりますが、属調のような転調、
つまり調性上の主音が変わる場合、
調次元(縦軸)が変化するため、
のに対し、同主調のような転旋、
つまり調性上の主音が変わらない場合、
調次元(縦軸)は変化しないため、
調のピント自動調節機能は働きません。
一般的に、
「相対音感は転調に弱い」
と言われるのはこの縦軸の変化、
つまり調のピント自動調節機能によって
周波数比を捉えるための基準が変わるため、
聴音時に迷子になりやすいと考えられます。
また、移動ド唱における転調時の
「読み替え(ムタツィオ)」
を2次元(相対音感)の世界に当てはめて考えると、
「架橋音を介して調次元をワープする」
そんなイメージに例えられるのではないでしょうか?
ちなみに調次元と移動ド次元の交点は「音名」を
指しています(上図の例では音名「E」)。
優れた相対音感を持った人は、
「架橋音を介して自在に調次元をワープし、
調次元を自由に行き来することができる」
そんなイメージを私は持っています。
関連記事