「風邪薬のフラベリック錠の副作用で
音が半音低く聴こえるようになった」
絶対音感関連の話題としてはおなじみなので
ご存知のみなさんも多いかと思いますが、
今回はこの現象を例によって、
に当てはめて考えてみたいと思います。
では、絶対音感保持者Aさんがある風邪薬を服用し、
音が1/3音低く聴こえるようになったと想定します。
このとき1次元の絶対音感では
「横軸(固定ド次元)が1/3音左にシフト」
すると考えられます。
同じ音を聴いているにもかかわらず
横軸がシフトしてしまうのは、
副作用の影響で周波数比を捉える基準が、
言い換えれば音律上「ド」の周波数比1:1の
「1」の中身が
「1/3音高くなった」
可能性が考えられます。
この現象を2次元(相対音感)の世界から眺めると、
「縦軸が1/3音上にシフト」
することになりますが、
1次元(絶対音感)の世界から見れば別の1次元、
つまり、
「異次元空間に飛ばされた」
そんな状態に例えられるのではないでしょうか?
一方、2次元の相対音感では
「2次元座標自体が上に1/3音シフト」
すると考えられます。
結果的に相対音感では同じ音を聴くと
「体感上、音が低く聴こえる」
ことになりますが、移調と同様、
「横軸は一切変化しない」
つまり、
「ハイト感覚のみ変わり、クロマ感覚(横軸)は変わらない」
と考えられます。
しかし、絶対音感では移調と同様、
「クロマ感覚(横軸)が変わってしまいます。」
この問題の本質はここにあると私は考えています。
ただし、絶対音感保持者がフラベリック錠の副作用を
経験することで、
「決して特定の周波数の音に
『ド』と言う性質(クロマ)があるのではなく、
自分が持つ基準によって
『ド』と言う感覚(クロマ)が作られていること」
そして、
「絶対音感は音名のクロマを聴き分ける」
と言われていますが、
「決して音名自体にクロマが存在しないこと」
また、「調性格」は曲自体が持つものではなく、
「聴き手自身が持つ基準によって作られていること」
を実感/体感できるのではないでしょうか?
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