2つの音はその周波数の比が簡単な整数比で表せるほど、
「協和する」
と言われています。
オクターブを除けば周波数比が3/2(2:3)のとき、
音程で言えば
「完全5度」
のとき、最も協和します。
実はこの完全5度の音程を堆積したものを
オクターブ等価に基づき1オクターブ内に収め、
高さの順に並べた結果生まれたのが、
「ドレミファソラシド」
です(ピタゴラス音律)。
ちなみに「ドレミファソラシド」がどのようにして生まれたかは、
こちらの『音律と音階の科学』が参考になります。
音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか (ブルーバックス)
- 作者: 小方厚
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: 新書
- 購入: 16人 クリック: 109回
- この商品を含むブログ (59件) を見る
「簡単な整数比」
とは当然ですが、
「比(の値)が小さい(あるいは大きい)」
こととは全く関係がありません。
つまり、協和とは
「音の高さと言う定量的な概念(比の大小)からは
完全に独立した全く別の次元の概念」
になります。
例えば先ほどの完全5度の場合、
3/2 = 1.5
と言う定量的な数値として見るのではなく、
3と2と言う整数の組み合わせ自体が意味を持つ、
つまり、協和と言う概念においては3/2と言う
「比そのものが定性的な意味を持つ」
と言えるでしょう。
協和と言う定性的な概念でデザインされた
「ドレミファソラシド」は
「高さや変化量と言った定量的な概念」
ではなく、やはり
「協和と言う定性的な概念」
によって判別されるべきではないでしょうか?
関連記事
(其の十一) (其の十二) (其の十三) (其の十四) (其の十五)