相対音感は、
「転調、あるいは無調に弱い」
と言われていますが、もし相対音感が、
「直前の音に対してどれだけ音が上下したか?」
プログラムに例えるなら、
音程[i] = 周波数[i] / 周波数[i - 1]; //処理3
こんなイメージで聴音しているのであれば、
調が聴音に影響を与えることは一切ないので、
転調や無調で迷子になることもないはずです。
また、このように基準がコロコロ変わってしまったら、
効率が悪いのと同時に、
「曲を通しての一貫性」
が失われてしまいます。
曲を通して同じ高さの音には一貫して同じ音楽的役割、
いわゆる、
「調性が生じるためには基準が固定」
されている必要があります。
そもそも、
「直前の音」
が指す内容自体も曖昧で例えばメロディではなく、
コードのように複数の音が同時に鳴っている場合、
一体どの音が「直前の音」になるのでしょうか?
前回同様、聴音も直前の音ではなく、
「調(調性上の主音)を基準」
として考えると、
移動ド[i] = 周波数[i] / 調; //処理4
例えばこんなプログラムイメージになりますが、
この場合は調が聴音に密接に関係しているため、
転調や無調で迷子になることも説明が付きます。
また、曲を通して基準が固定されているため、
一貫性も保たれます。
ちなみに、
・音 度…主音との音程
・階 名…音度に名前を付けたもの
・移動ド…「ドレミ」を階名のシラブルとした場合
・調 性…音度が持つ音楽的な役割(主音、導音等)
これらは全て、
「対主音との関係性(振動比)」
を表し、本質的に指しているものはどれも同じで、
処理4のように移動ドが求まると言うことは、
「調性が生じる」
ことにつながります。
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