絶対音感のある人から見たら、
「絶対音感のない人はどうして音が取れるのか?」
そんな疑問を感じる人もいるかも知れませんが、
絶対音感が「ものさし」ならば、相対音感は…
「コンパス」
に例えられます。
コンパスは単に円を描くだけのツールではありません。
コンパスには開き幅を調節することで、
「任意の長さを保持(記憶)」
する機能があります。この機能を利用することで、
ものさしのように、
「何cmか?」
を測定することはできませんが、
「任意の長さを1(新たな単位)として、
任意の長さの何倍か?を測定したり、
任意の長さのn倍の長さを作り出す」
ことができます。このとき、
「任意の長さが何cmであるかは問題ではない」
裏を返せば、
「任意の長さは何cmでも構わない」
と言うことです(ここ重要)。
「何Hzか?(あるいはその音名)」
を測定することはできませんが、
「任意の高さを『ド』(基本周波数)として、
任意の高さの何倍か?を測定したり、
任意の高さのn倍の高さを作り出す」
ことができます。
(「ド」が移動する=コンパスの開き幅が変わる)
音階の刻み幅を定める音律、あるいは音と音の幅、
いわゆる音程もその実体は周波数の差ではなく比、
つまり、
「何倍か?」
です。もちろん、
「任意の高さは何Hzでも構わない」
だから、相対音感はA=440Hzでも442Hzでも、
「どんなピッチでも柔軟に対応」
することができます。
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