もし仮に、
「C」と「F」と「G」
この3つのコードを聴き分ける作業で
周波数比を捉える感覚上の基準、
つまり周波数比1:1の「1」を
音名「C」
に合わせることができたとしても、
そのまま脳の発達と共に
「音を相対的に捉える能力」
が発現してしまうと、絶対音感を失ってしまいます。
実際、この変化は絶対音感訓練時の
と呼ばれる現象に垣間見ることができます。
絶対音感を大人になっても保持していると言うことは、
この移調のミス(音を相対的に捉える能力)の発現が
「何らかの原因で抑制された」
と考えることもできます。
でも触れましたが、一般的には
「絶対音感には臨界期がある」
と言われています。
しかし、絶対音感保持者が大人になってからは
移調のミスを起こさないことから、
「臨界期があるのは絶対音感にではなく、
移調のミスにある」
と考えれば、絶対音感訓練によって
移調のミスの発現が抑制されたまま、
「移調のミスの臨界期を迎えた」
と言う可能性も考えられるのではないでしょうか?
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