前回は、
「転調してから実際耳に新しい調が確立するまでの間」
に生じるタイムラグによって、
「新しい調の音が一時的に古い調の中で処理される」
と言う話をしましたが、このとき相対音感では、
「何調に転調したか?」
ではなく、
「5度圏上、5度(4度)方向にいくつ転調したか?」
が転調効果に影響を与えます。
具体的には古い調から新しい調を見たとき、
5度(4度)方向に…
・1つ転調すると、♯(♭)の付いた音が1つ現れる
・2つ転調すると、♯(♭)の付いた音が2つ現れる
・3つ転調すると、♯(♭)の付いた音が3つ現れる
・4つ転調すると…
つまり5度圏上、
「近い調への転調は古い調との 共通音が多くなり、
遠い調への転調は古い調との非共通音が多くなる」
結果的に、
「前者は雰囲気が少しだけ変わる(自然な転調)、
後者は雰囲気がガラッと変わる印象を与える」
と考えられます。
ただし、相対音感における転調効果はあくまでも
転調してから実際耳に新しい調が確立するまでの間、
つまり、
「転調効果は一時的」
で、耳に新しい調が確立したら消失します。
これに対し、
「転旋効果は永続的」
になります。ちなみに以前にも話をしましたが、
・転調はハ長調→ト長調のようにハ長調の「ハ」の部分
・転旋はハ長調→ハ短調のようにハ長調の「長」の部分
が変わることです。
(次回に続く・・・)
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