「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

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18/07/15 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は?(解説編)」
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18/06/20 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は? 機能追加のお知らせ(6/20)」
18/06/06 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は? 機能追加のお知らせ(6/6)」
18/05/30 「たとえばこんな相対音感テスト~あなたの音痴度は?」
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18/05/16 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの倍音テスト 機能追加のお知らせ(5/16)」
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18/05/02 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの倍音テスト」
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18/04/18 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト(おまけ)」
18/04/11 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト(解説編)」
18/04/04 「絶対音感テストでも相対音感テストでもない ただの音色テスト 機能追加のお知らせ(4/4)」
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高性能な相対音感?~仮性絶対音感と潜在的絶対音感(其の九)

 

相対音感を使って音名/固定ドを特定するには、
「実現可能かどうか?」の問題は別にして、
理屈の上では2つのアプローチが考えられます。

1つは仮性絶対音感のように、

「基本周期(縦軸)を特定の周波数に固定する」…①

ことで、その周波数成分が音名に対応します。

一般的な相対音感のイメージで言えば、
移動ドの「ド」を意図的に記憶にある1音に
固定することで固定ドにしてしまう発想です。

 

f:id:raykawamoto:20160706190050g:plain

 

もう1つは階名/移動ドで聴音できる人であれば、

「これは何調ですよ」

と言う情報さえ与えられれば音名を割り出せますが、
何らかの方法で、例えば潜在的絶対音感を使って、
つまり、

「基本周期の記憶を頼りに調(縦軸)を特定する」…②

ことができれば調と階名(縦軸と横軸)の
組み合わせから音名を特定できるはずです。

 

f:id:raykawamoto:20160706190031g:plain

 

本来、相対音感は基本周期を調に合わせるため、
①では『よくある一般的な絶対音感テスト』のような
単音の聴音であれば調の持つ引力の影響を受けずに
音名を特定することができるかも知れませんが、
問題は『30秒でできる絶対音感テスト』のように、

「音をまとまり(ゲシュタルト)」

として捉えた場合です。

このとき、調の持つ引力に抗う(自然に逆らった)、
どちらかと言えば音楽的に音を聴くのではなく、

「音名を特定するのに特化した特殊な聴き方」

になるのでは?と私は想像しています。

 

それに対し、②はあくまでも調の持つ引力に従い、
基本周期を調に合わせた状態、つまり、

相対音感には何ら影響を与えることなく」

音名の特定を実現できることになります。

前回絶対音感を持たない人でもその差が、

「一半音なら58%、二半音なら70%」

の確率で原曲キーを判別できたと言う実験結果を
紹介しましたが、調を特定するには少なくとも
一半音以下の精度が必要になります。

58%と言う数字は半分の50%より僅かに高い程度で、
潜在的絶対音感の精度がそこまで高くないことが
窺えます。

しかし、もし潜在的絶対音感の精度を上げること、
そして調を特定することができるようになれば、

相対音感絶対音感を併せ持つような強力な音感」

に成り得るかも知れません。

(次回に続く・・・)

 

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