では、続いて最後のパターン
【パターン3】2音X、YのX=階名「ソ」とした場合、
Yの階名を答えるタイプ
について検証してみましょう。
【パターン3】と【パターン2】の違いは
Xが階名「ド」か?階名「ソ」か?
の違いだけですが、この違いは
「Xを強制的に任意の階名としてイメージする能力」
を表していると考えてください。
【パターン3】は2音XY間の音程から
「ソ」の何度上と論理的に計算するものでも、
またX=階名「ド」として聴いた上で
Yを論理的に計算するものでもなく、
X=階名「ソ」とイメージした上で、
「Yの音が実際に何の音(階名)に聴こえたか?」
を答えるテストになります。
ちなみに、階名唱(移動ド唱)における
転調時の読み替え(ムタツィオ)のとき、
読み替えが行われる音を
「架橋音」
と言いますが、この架橋音で転調元の階名から
転調先の階名にイメージし直すときには、
この
「Xを強制的に任意の階名としてイメージする能力」
が必要になると考えられます。
以上、3つのパターンを見てきましたが、
表面的に音程や階名を答えさせるようなテストでは、
それで本当に相対音感があるかを判断するのは
難しいと考えられます。
実際、絶対音感があればこれらの相対音感テストは
基本的に満点を取れるのではないでしょうか?
重要なのは「表面的な結果」ではなく、
「それがどう分かるか?」
だと私は考えています。
(了)
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