では、
【パターン1】2音X、Y間の音程を答えるタイプ
を具体的な例で検証してみましょう。
ここでX=音名「D」、Y=音名「A」とします。
このとき、相対音感の場合はおそらく
X=階名「ド」、Y=階名「ソ」
と認知されることが多いのではないでしょうか?
この現象を周波数比(クロマ)の観点から見ると、
周波数比を捉えるための基準がX、つまり音名「D」にセットされ、
Xには周波数比1:1が生み出す感覚、つまり「ド」のクロマ
Yには周波数比2:3が生み出す感覚、つまり「ソ」のクロマ
(便宜上、周波数比は純正律で表記してあります。以下同様)
が生じると考えられます。
実際には必ずしもX=階名「ド」と認知される訳ではなく、
・XとYの音程
・XとY、どちらの音が高いか?
・XとYを聴く前に聴いた音
等の条件によって、Yが階名「ド」と認知されることもあれば、
XもYも階名「ド」以外の音として認知されることもあるでしょう。
さらに、高度な相対音感を持った人は自分でコントロールして、
強制的にX(またはY)を階名「ド」(もしくは階名「ド」以外の音)
としてイメージすることもできるでしょう。
(この能力については【パターン3】で取り上げる予定です)
そして、音程を答えるにはやはり「Y-X」と
論理的に計算することになりますが、
X=階名「ド」であれば、
「ソ」=「完全5度」
と分かるので、実際に計算すると言う意識はないかも知れません。
では、絶対音感の場合はどうでしょうか?
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