「『ラ』から並べ替えたもの」
と説明されることが多い、また実際にそう考えている
人も多いかも知れませんが、両者が一致するのは、
・平均律での音程関係
だけで、
・純正律での音程関係
・トニックソルファ法の精神的効果(クロマ)
の観点から見れば、両者は決して一致しません。
前回も書きましたが、音律で規定しているのは、
「調性上の主音を基準とした比」
です。マイナーモードの主音を「ラ」とするのは、
「平行調的な考え方」
と言えますが、ここで忘れてならないのは、
「平行調は転調」
だと言うこと。つまり、
「調性上の主音(音律上の基準)が変わっている」
と言うことです。転調しているにもかかわらず、
「ド」の位置が変わらない、
「固定ド的な考え方」
とも言えます。
一方、マイナーモードの主音を「ド」とするのは、
「同主調的な考え方」
と言えますが、
「同主調は転旋」(詳細はこちらを参照)
であって、「転調」ではありません。つまり、
「調性上の主音(音律上の基準)は変わらない」
と言うことです。
「物事は基準を揃えて考えるのが自然」
だと思いませんか?
読譜で重要なのは、
「どう読むか?」
ではなく、
「どう聴こえるか?」
ではないでしょうか?
本書では「どう聴こえるか?」と言う視点から、
マイナーモードの主音について言及しています。
興味のある方は是非読んでみてください。
(了)
関連記事