では、次の式を因数分解してみましょう。
Cd + Dr + Em
と言っても今度は共通因数が一切存在しないため、
部分的にも因数分解できません。
これは共通因数、すなわち調が存在しない、
「無調音楽」
を表現しています。
調(共通因数)でくくれないと言うことは当然、
「移動ドが求まらない(調性が生じない)」
結果的に、
「相対音感では聴音できない」
と言うことになります。
ちなみにどうして絶対音感では調が存在しない
無調音楽でも聴音できるのでしょうか?
例えば式を共通因数となる調とは関係なく常に、
「音名『C』(特定の周波数)」
でくくると、ハ長調では…
Cd + Cr + Cm = C(d+r+m)
のように「ドレミ」に聴こえますが、ト長調では…
Gd + Gr + Gm = C((G/C)d+(G/C)r+(G/C)m)
G/Cは完全5度上(あるいは完全4度下)なので、
「ドレミ」の完全5度上の「ソラシ」に聴こえる、
つまり、
「移動ドではなく、固定ドで聴こえる」
また、特定の周波数なら当然調(共通因数)の
有無に関係なく式をくくることができるため、
「無調音楽でも(固定ドでの)聴音が可能」
になると考えられます。
これらの特徴は絶対音感の特徴に似ていませんか?
(了)
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