では、次の式を因数分解してみましょう。
Cd + Cr + Dm + Df + Ds
と言ってもご覧の通り上式には共通因数がないため、
因数分解できません。
しかし、上式を前半と後半に分けて考えれば、
Cd + Cr + Dm + Df + Ds = C(d+r) + D(m+f+s)
のように「部分的」に因数分解することはできます。
これは途中で共通因数、すなわち調が変わる、
「転調」
を表現しています。
ただし、音楽には…
「時間の流れ」
が存在するため、
「転調してから実際耳に新しい調が確立するまで」
の間に、
「タイムラグ」
が生じます。
結果的に上式のように正しく共通因数でくくられず、
Cd + Cr + Dm + Df + Ds = C(d+r+(D/C)m+…)
(本来Dにくくられるべき音がCにくくられる)
のように耳に新しい調が確立するまでの間、
「新しい調の音の一部が一時的に古い調の中で処理」
されると考えられます。
ちなみにD/Cは長2度上、つまり(D/C)mは「ミ」の
長2度上でメジャースケールには存在しない、
「ファ♯」
の音になりますが、このようにタイムラグによって
新しい調の音が古い調の中で処理されることで、
本来古い調には登場しないはずの音が登場する、
これがいわゆる…
「転調効果」
を生み出しているのではないでしょうか?
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