「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

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絶対音感と相対音感のアルゴリズムを考える(其の二十五)

 

みなさんの中には「ド」と言う概念が、

「固定されているから固定ド、移動するから移動ド」

だと思っている人もいるかも知れませんが、

「『ドレミ』は概念ではなく、単なる表記」

であって、固定ドと移動ドの本当の違いは、

「『ドレミ』が何を表記しているかの違い」

具体的には…

・「音名」と言う概念の表記として使うと固定ド
・「階名」と言う概念の表記として使うと移動ド

になります。だから、

「そもそも固定されている概念を動かそうとしたり、
 あるいは概念と表記の対応付けをスライド」

してしまったら混乱するのも当然のことです。

数学者ガウスの言葉を借りるなら数学ならぬ、

「音楽の本質は表記(ドレミ)ではなく、概念にある」

と言ったところでしょうか?

 

また、移動ドは「ド」が指し示す値が変動するから
面倒くさいと思っている人もいるかも知れませんが、
実際に変動しているのは基本周波数のほうであって、
移動ドの「ド」が指し示す値自体は変動していない※
つまり、

「『ド』は常に一定の振動比nを指し示している」

これが前回、

「相対音感では移動ドが止まって見える」

と言った真意です。

※「ド」が変動しなくても基本周波数が変動すれば、
 当然「基本周波数×n」の計算結果は変動します。
 「ド」が指し示す値自体が変動してしまったら…
 それは確かに「面倒くさいシステム」です。

ちなみに楽器や楽譜上では固定ドが固定して、
あるいは移動ドが移動して見えるのは単純に、

「楽器や楽譜は音名を基準に設計されている」

からです。逆に階名を基準に設計されたもの、
例えば10穴ハーモニカ(ブルースハープ)では、

「固定ドが移動して、移動ドが固定して」

見えます(キーが変わっても吹き方は変わらない)。

 

例の喫茶店の看板が「ドレミ」か?「ソラシ」か?
この論争も結局は表記と概念の混同ですが、
そもそもどうして表記と概念を混同してしまうのか?
と言えばそれは、

「音名と階名と言う異なる2つの概念に対して、
 『ドレミ』と言う同じ表記を使っている」

からで、この問題の経緯は東川清一先生他共著の、

『よい音楽家とは 読譜指導の理論と実践』

に詳しくまとめられています。

 

プログラムの定数名や変数名を変更しても
その動作には何ら影響を与えないように、
重要なのは定数名や変数名ではなく、

「その定数や変数が保持している内容」

です。同様に、移動ドにせよ固定ドにせよ、
重要なのは「ドレミ」と言う表記ではなく、

「その表記が指し示している概念」

です。みなさんは自分の中で、

「『ド』と言う表記がどんな概念や数値と結び付き、
 どんなプロセスを経てアウトプットに至るか?」

具体的に説明できますか?

(了)

 

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