「絶対音感テストでも相対音感テストでもないただの弁別閾テスト1」
「絶対音感テストでも相対音感テストでもないただの弁別閾テスト2」
の解説編です。
異なる2つの周波数の音を聴き比べたとき、
一方の周波数をもう一方に近づけていくと、
最終的には両者の区別が付かなくなりますが、
このとき、
「これ以上近づけたら区別が付かなくなる」
ギリギリのポイントのことを英語で、
「just noticeable difference」
(ギリギリ気付くことのできる違い)
日本語で、
「丁度可知差異(ちょうどかちさい)」
あるいは、
「弁別閾(べんべついき)」
とも言います。
本テストでは基準音が「50Hz~2500Hz」の範囲で
選択可能ですがこれは、
「弁別閾が音域によって変わる」
ためです。
ちなみに楽器を耳でチューニングしているとき、
比較している音にある程度近づいてくると、
微妙に合っていないことは分かるのだけれども、
「上げたらいいのか?下げたらいいのか?」
がよく分からないと言うことはありませんか?
3択の「テスト1」ではこのように、
「高さが違う」
と言うことだけ分かれば回答できてしまうのに対し、
2択の「テスト2」では明確に、
「どちらが高いか?」
まで分からないと回答できないと言う違いがあります。
(一見、選択肢の少ないほうが簡単に見えますが…)
また、相対音感はどちらが高いかが分かる能力で、
このどちらが高いかと言う感覚を磨くことで、
「どれだけ高いか?」
が分かるようになると主張する人もいるようですが、
「どちらが高いか?」は周波数の大小に対応した、
「トーン・ハイト(定量的な感覚)」
「どれだけ高いか?」は周波数の比が織り成す響き、
に依存しているため、
「どちらが高いか?を言い当てる訓練」
をいくら繰り返しても相対音感は鍛えられません。
もし相対音感が周波数の大小に対応した
定量的な感覚だけで音楽を捉えていたら、
それは調性も生じない、
になってしまいます。