「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

絶対音感と相対音感のアルゴリズムを考える(其の二)

 

例えばパッと聴いたフレーズが、

「何拍か?」

をカウントすることは人間にとっては簡単なことです。

しかし、これと同じことを機械的に実現するとなると、
実はそんな簡単な処理ではないことに気付かされます。

その一番の原因は拍が、例えばBPM 60なら1拍は1秒、
BPM 120なら1拍は0.5秒のように

「一定量を指し示していない抽象的な概念」

だからではないでしょうか?
BPMが与えられれば「秒⇔拍」の変換はできますが、
 それは拍をカウントすることとは意味が違います)

しかも人間は途中で突然テンポが変わっても、
さらにはrit.のように徐々にテンポが変わっても、
その変化に応じて、

「1拍の長さをダイナミック(動的)に伸縮」

することで拍を正確にカウントすることができますが、
よく考えたらとても不思議なことだと思いませんか?

 

では、どうして人間は、

「この長さが1拍ですよ」

と言った目印がある訳でもないのに当然のように
1拍を1拍として認識することができるのか?
これはとても難しい問題ですが、少なくとも

「個々の音の長さ(ミクロな単位)」

から、逆に言えば、

「全体的な音の長さの比率(マクロな単位)」

で捉えない限り、1拍を算出することはできません。

「ストップウォッチでは拍をカウントできない」

ように、たとえどんなに正確に秒を測定できても 、
拍をカウントすることはできません。

逆に言えば、

「拍をカウントするのに秒を測定する能力も、
 また算出された1拍が何秒か?が分かる必要もない」

と言うことです。

こうして考えてみると、リズムは秒のような

「スタティック(静的)な基準、固定的な単位」

では決して捉えられない、逆に拍のような

「ダイナミック(動的)な基準、可変的な単位」

だからこそあらゆるテンポに柔軟に対応できることが
分かります。

 

このように普段人間が何気に簡単にやっていることも、
いざ機械的に実現しようとしたら難しいと言うことは、
音楽に限らず他の分野でもよくあることだと思います。

そして、実はもう1つ音楽上の概念で拍と同じように
定量を指し示していない抽象的な概念が存在します。

そう、それはみなさんの大好き?な

「階名/移動ド」

です。

(次回に続く・・・)

 

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