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「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十三)

音感の正体

 

そもそも曲の中には、

「この音が調(調性上の主音)ですよ」

と言った目印がある訳でもないのに、

「どうして基本周期が自然と調に設定されるのか?」

今回はそんな基本周期、そして調性音楽の不思議を
ほんの少しだけ考えてみたいと思います。

 

まずはゲシュタルトの最小構成単位と考えられる
2音が提示されたときにどのように認知されるか?
を以下の3通りのパターンでテストしてみました。

①同時に提示(和声的音程)
②別々に提示(旋律的音程)~1音目が2音目より低い
③     〃      ~1音目が2音目より高い

私の場合、音が提示される順番や音程にかかわらず、
低いほうの音が「ド」として認知される、つまり

「低い=周期の長いほうが基本周期に設定される」

と言う結果が出ました。

 

音高と音程の判別が別々の仕組みで実現されている
イメージを持っている人も多いかも知れませんが、

「音高も音程も同じゲシュタルトの一要素に過ぎず、
 ものさしの目盛りが指す値を読み取れば音高に、
 目盛りと目盛りの幅を読み取れば音程になる」

それはものさしが固定されていようが伸縮しようが
同じことだと私は考えています。

 

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宮崎謙一教授の『絶対音感神話』にはたった3つの音程、
短3度と長3度と完全4度を判別するテストの正答率が、

「非絶対音感群と比べ、絶対音感群のほうが低い」

と言うこれもまたおもしろい結果が出ていましたが、
これは相対音感では周波数成分の分析結果sin ntn
階名や音度(調性上の主音との音程)に対応するため、
先ほどのように2音の場合に限っては単純に、

「音度≒音程」

と考えられるだけなのでは?と私は考察しています。

 

では、これが3音以上になるとどうなるでしょうか?

例えば長三和音の場合、基本形は「ドミソ」ですが、
第1転回形は「ミソド」、第2転回形は「ソドミ」と
聴こえることから一番低い音が基本周期になる訳でも、
また「CDEFGABC」と「ABCDEFGA」では
前者は「C」、後者は「A」が基本周期になることから
その構成音だけで基本周期が決定する訳でもなく、
音が提示される順番も影響していることが分かります。

「調性音楽がどのような仕組みで人間に認知されるか?」

についてはまだ科学的に解明されていないと思いますが、
実は、

「それこそが相対音感なのでは?」

と私は考えています。

(次回に続く・・・)

 

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