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「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十九)

 

みなさんの中には移調楽器と聞いて、

「相対音感が必要、あるいは相対音感が鍛えられる」

そんなイメージを持っている人もいるかも知れませんが、
移調楽器と言うのは単にこのように、

 

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音名のシラブル(ラベル)が論理的にスライドする、
例えば「B♭」→「C」(「シ♭」→「ド」)と

「音名の呼び方が論理的に変わるだけ」

で、この操作は相対音感とは全く関係がありません。

相対音感は音名ではなく階名に対応した感覚ですが、
移調楽器のように音名のシラブルがスライドしても、
それはあくまでも音名であって階名ではありません。

 

絶対音感保持者が移調楽器を苦手とする本当の原因は
相対音感の有無ではなく、絶対音感があること自体に、
具体的には絶対音感が使用する固定されたものさしは、

「目盛り(感覚)が音名とリンクしているため」

音名の呼び方が変わると感覚と音名が一致しなくなる、
いわゆる、

「ストループ効果、あるいは逆ストループ効果」

によって生じる違和感にあると考えられます。

ちなみに相対音感が使用する伸縮するものさしは、

「目盛り(感覚)が階名とリンクしているため」

音名の呼び方が変わっても違和感が生じません。

 

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こうして考えてみると、以前にも取り上げましたが、

「音が取れれば移動ドでも読める」

「移動ドは歌詞みたいなもの」

と言った考え方も実は固定されたものさしの上で、

「階名のシラブルを論理的にスライドしているだけ」

なのではないでしょうか?

 

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また、絶対音感保持者が、

「移動ドは気持ちが悪い」

と感じる原因もやはり相対音感の有無とは関係なく、
音名と階名どちらにも同じ「ドレミ」をシラブルに
使うこと、いわゆる固定ド、移動ドによって起こる
これもまたストループ効果にあると考えられます。

 

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ただし、このストループ効果自体は音名と階名で
別々のシラブルを使えばすぐに解消される問題で、
絶対音感保持者が移動ドを苦手とする本当の原因は
このストループ効果にあるのではなく、

「伸縮するものさしを持ち合わせていない」

ことにあるのでは?と私は疑っています。

(次回に続く・・・)

 

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