相対音感は単純に音が高い低いと言う感覚、
つまり、
「トーン・ハイト層で実現」
されていると考えている人も多いかもしれませんが、
フーリエ解析に相当する周波数成分の分析を通して、
つまり、
「トーン・クロマ層で実現」
されていると私は考えています。
ここで重要なポイント、
それは周波数成分を分析するときの基本周期が
「特定の周波数に固定されたスタティックな基本周期」
ではなく、
「調に合わせて伸縮されたダイナミックな基本周期」
だと言うこと。
基本周期が調に合わせて伸縮すると仮定すると、
・聴音は音名/固定ドではなく、階名/移動ド
(周波数成分sin ntのnは階名/移動ドの概念に対応)
・移調のもとでの等価性
(移調しても周波数成分sin ntのnは変わらない)
・あらゆる基準ピッチに対応可能
(基準となる基本周期が自在に伸縮)
・移調唱(カラオケでのキー変更)が容易
(伸縮した基本周期に合わせて周波数成分を逆フーリエ変換)
・転調時に聴音で迷子になる(転調=基本周期が変わる)
・無調のとき、聴音できない(無調=基本周期が定まらない)
と言った相対音感の特徴を全て合理的に説明できます。
もし相対音感が単純に音が高い低いと言う感覚、
つまりトーン・ハイト層で実現されていると仮定した場合、
こうした相対音感の特徴を合理的に説明できますか?
また、
「相対音感は音程が分かる」
と言われていますが、相対音感で音程が分かるのは
あくまでも周波数成分を分析した結果であって、
もし周波数成分の分析を経ずに音程が分かるのであれば、
「転調や無調の影響を受けることなく聴音」
できるはずです。
では、
「絶対音感は一体どの層で実現されているのでしょうか?」
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