「フーリエ変換をマスターしなければならないのか?」
と言えば、もちろんそんなことはありません。
絶対音感には臨界期があると言われていますが、
「絶対音感保持者は全員6、7才までに
三角関数や微分積分を理解していた超天才児だった!」
・・・と言う話は誰も聞いたことがないと思います。
実は人間の耳では(絶対音感の有無とは関係なく誰の耳でも)
フーリエ変換に相当する処理が行われている、
つまり、
「耳自体がフーリエ変換器」
の役割をしていることが既に科学的に解明されています。
この辺りの耳の仕組みは、
にてCGを使った動画で分かりやすく説明されているので、
関連あるトピックをピックアップしておきます。
「3DCGで見る視覚・聴覚の構造としくみ」より
3.聴覚器のしくみ
3-1.うずまき管※
3-2.聴細胞と神経パルス※
5.音の解析と認識
5-1.聴覚神経経路※
5-2.音源の識別※
5-3.聴覚野※
※独立行政法人 科学技術振興機構
理科ねっとわーくへのリンクです。
では、合成波からその周波数成分を取り出すことで
最終的に目的は達成されるのでしょうか?
音楽的に重要なのは
「周波数成分の個々の値(音の高さ)」
ではなく、
「周波数成分同士の関係性(音の協和)」
つまり、合成波から周波数成分を取り出す処理は
その関係性を分析するための第一段階と言えるでしょう。
ちなみにフーリエ変換の結果を分析することを
「フーリエ解析」
と言いますが、人間が音楽を美しく感じると言うことは、
単に合成波から周波数成分を取り出して終わりではなく、
その次の工程としてフーリエ解析に相当する処理、
つまり、
「周波数成分の分析」
が行われていると考えられます。
関連記事
(其の十一) (其の十二) (其の十三) (其の十四) (其の十五)