もしかしたらみなさんの中にも、
「聖徳太子は10人の話を同時に聞き分けられた」
と言う逸話から一度くらいは、
と考えたことのある人がいるのではないでしょうか?
音は空気などの振動によって伝わりますが、
この振動はオレンジの波のような
「正弦波(サイン波)」
で表されます。
正弦波は1つの山と1つの谷で1回の振動と数えますが、
この(1秒当りの)振動回数がいわゆる
「周波数(単位はHz=ヘルツ)」
で、周波数が大きい(振動が速い)ほど音は高く、
逆に周波数が小さい(振動が遅い)ほど音は低く聴こえます。
青い波はオレンジの波が1回振動する間に2回振動する、
つまりオレンジの波の2倍の周波数になります。
(周波数が2倍と言うことは1オクターブ高い音になります)
このとき2つの音が別々の信号として耳に届くのではなく、
あらゆる周波数の音が「同じ空気」を媒体として伝わるため、
最終的には紫の波のように1つの信号に合わさり、
「合成波」
として耳に届くことになります。
そのため、音を判別するためにはまず最初に
「合成波から周波数成分を取り出す」
と言う操作が必要になってきます。
この合成波から周波数成分を取り出す手法の1つが
「フーリエ変換」
です。
また、周波数成分(倍音成分)から逆に合成波を作り出すことを
「逆フーリエ変換」
と言いますが、
「ものまねが得意な人は優れたフーリエ変換能力と共に
実際にそれを再現できる逆フーリエ変換能力の持ち主」
とも言えるでしょう。
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