おそらく多くの人は「ドレミファソラシド」を
「高さ」としてイメージ、つまり
「定量的な概念であるトーン・ハイト」
に当てはめて考えようとしているのではないでしょうか?
「ドレミファソラシド」をトーン・ハイトとして捉えれば、
絶対的に捉えようが相対的に捉えようが
結果的には同じ高さが得られることになります。
しかし、「ドレミファソラシド」を「協和」、つまり
「定性的な概念であるトーン・クロマ」
として捉えた場合、絶対的に捉えるか相対的に捉えるかで
その結果は大きく変わってきます。
では、トーン・クロマを絶対的に捉えるとどうなるでしょうか?
トーン・クロマを絶対的に捉えると、
「トーン・クロマが音名/固定ドを示す」
と同時に移調によってトーン・クロマが変化する、
つまり、
「トーン・クロマ上では移調のもとでの等価性が成立しない」
ことになります。
「其の八」で取り上げましたが、
「絶対音感群の移調のもとでの等価性の判別が不正確」
な原因はここにあると私は考えています。
「等価性が成立しない」と言うことは裏を返せば、
「差異が生じる」
と言うことです。
この「トーン・クロマの変化」は絵に当てはめて考えると、
「色の変化」
に例えられるのではないでしょうか?
定性的な色(トーン・クロマ)が変化すれば
絵(曲)の雰囲気も当然変わりますが、
これがいわゆる
「調性格の正体」
だと私は疑っています。
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