宮崎謙一教授の『絶対音感神話』における
移調条件下でのメロディ比較の実験ですが、
具体的には移調の際に1音だけ微妙にメロディを
変えたパターンを交えて、
「移調のもとでの等価性が保たれているかどうか?」
を判別させます。
絶対音感神話: 科学で解き明かすほんとうの姿 (DOJIN選書)
- 作者: 宮崎謙一
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2014/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
そして、この実験で非絶対音感群と比べ、
「絶対音感群のほうが正答率が低い」
言い換えれば、絶対音感群のほうが
「移調のもとでの等価性の判別が不正確」
と言う結果が出ています。
絶対音感に対する懐疑的な意見として、
と言われていますが、この意見に照らし合わせて考えれば、
上記の結果は
と言ったところでしょうか?
しかし、この考え方もまた
と言う仮説/前提条件に基づいた考察に過ぎません。
移調のもとでの等価性の判別が不正確と言う結果を
こうした仮説/前提条件を抜きにして考えてみると、
例えば「心的回転」のように、
「移調のもとでの等価性を判別しにくいような
仕組みで音を認知しているからなのでは?」
と考えるのが最も自然な考察ではないでしょうか?
関連記事
(其の十一) (其の十二) (其の十三) (其の十四) (其の十五)