「絶対音感の終焉」

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移動ド超入門~絶対音感と相対音感の違い(其の二十)

 

元々「長旋法/短旋法」と訳されていたものが、

長調短調

と呼ばれるようになったのも、
また「調」、あるいは「調性格」の意味合いで、

「調性」

と言う言葉が使われてしまうのも、
2次元(相対音感)の世界の概念を
1次元(絶対音感)の世界から眺めた結果、

「異なる概念に映ってしまったからではないか?」

と私は考えています。

 

「其の十六」でも触れた通り、
元来「調」「旋法」は異なる次元の概念ですが、
1次元(絶対音感)の世界では調が変わると旋法と同様、

「クロマの組み合わせが変わってしまう」

ため、調と旋法を混同してしまったのではないでしょうか?

 

また、2次元(相対音感)の世界では、

「調 ≠ 調性 ≠ 調性格」

とそれぞれ明らかに異なる概念ですが、
1次元(絶対音感)の世界では調が変わると
固定ド次元(トーン・クロマ次元)が変化、
つまり、

「調によって調性や調性格に
 差異が生じるようなシステム」

とも言えますが、結果的に

「調 ≒ 調性 ≒ 調性格」

のように映ってしまうのかも知れません。

 

そして、1次元(絶対音感)の世界から眺めることで
言葉の意味が変わってしまったその最たる例が、
元々階名(移動ド)のシラブルであった

「『ドレミファソラシド』を
 音名(固定ド)のシラブルに転用してしまったこと」

ではないでしょうか?

 

ここで非常に興味深い事実を1つ、
東川清一先生の『シャープとフラットのはなし』によると、
全20巻にもおよぶ世界最大の音楽辞典、
『ニューグローブ音楽辞典』(1980年版)には、

「移動ド/固定ドと言う項目が存在しない」

そうです。

 

シャープとフラットのはなし―読譜法の今昔

シャープとフラットのはなし―読譜法の今昔

 

 

移動ド/固定ドと言う言葉は、元々
階名のシラブルであった「ドレミファソラシド」を
音名のシラブルとして誤って転用してしまったことで、
この2つを区別するために生まれてしまった
本来、「不要な用語」と言えるでしょう。

 

本記事では敢えて移動ド/固定ドと言う言葉を使いましたが、
実は私自身「移動ド/固定ド」と言う言葉が大嫌いで、極力

「階名/音名」

と言う言葉を使うようにしています。

(了)

 

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クロマで迫る音感の正体 ~絶対音感の終焉~

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