絶対音感保持者の中には、
「どうして移動ドなんて概念が存在するのか?」
「移動ドの存在理由が分からない」
と言う人もいるかも知れませんが、
そもそも1次元(絶対音感)の世界には見ての通り、
「『移動ド』と言う概念自体が存在しません。」
もっと言えば、
「『調』と言う概念すら存在しません。」
実はこれらの概念は
「2次元(相対音感)の世界から輸入された概念」
で、1次元(絶対音感)の世界に
「後天的に当てはめられたものではないか?」
と私は大胆に予想しています。
1次元(絶対音感)の世界では調次元(縦軸)の変化が
「全て固定ド次元(横軸)の変化」
に取って代わります。
そして、固定ド次元(トーン・クロマ次元)の
パターンによって調が決定する、
つまり、
「2次元(相対音感)の世界の『調』とは
全く異なる概念ではないか?」
と私は疑っています。
結果的に調が変わると、旋法と同様、
「クロマの組み合わせが変わる」
ことになりますが、実はこの変化こそが、
「調性格の正体」
だと私は考えています。
ちなみに12の調と長短2つの旋法、
全部で24通りの組み合わせが存在しますが、
これをクロマの組み合わせで分類すると
相対音感上では長短の「2通り」になるのに対し、
絶対音感上では調の数と同じ「12通り」
(平行調のときに同じクロマの組み合わせ)
になります。
なお、本書ではこうした視点から、
「ベートーベンの『運命』はハ短調でなければ」
と言われる理由について言及してみました。
興味のある方は是非読んでみてください。
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