科学雑誌『Newton』の今月号(2015/4)にて、
「絶対音感と脳の記憶にかかわる部位との関連性」
が記事として取り上げられていました。
※出典はコチラの記事のようです。
『The Journal of Neuroscience』(January 2015/1/7)
「Bridging the Gap between Perceptual and
Cognitive Perspectives on Absolute Pitch」
そもそも、
「どうして人間は音楽を美しいと感じるのでしょうか?」
曲を構成する各音の高さ(固定ドや周波数)が分かると、
言い換えれば固定ドや周波数の概念で音が認知されると
美しいと感じるのでしょうか?
人間がコードやハーモニーを美しいと感じるのも、
またオクターブ等価も決して
「周波数そのもの」
が持つ性質から生じるのではなく、
「周波数比が織り成す響きから生じるもの」
で、固定ドや周波数と言った音高を捉えることよりも
「正確な周波数比を捉えること」
言い換えれば、
「固定ドではなく、移動ドの概念で音が認知されること」
が重要だと私は考えています。
そう言った意味で2次元(相対音感)のシステムは、
「あらゆる基準ピッチに対応した正確な周波数比」
を捉えることができる柔軟なシステムと言えるでしょう。
そして、ここで重要なポイント。
それは2次元(相対音感)のシステム上では
基準(縦軸)が「調のピント自動調節機能」により
曲に合わせてフレキシブルにシフトするため、
「自分自身が基準を持つ必要、
つまり、記憶に依存する必要がない」
と言うことです。
絶対音感の記憶に保存されている基準は
「決め打ちされた基準」
に過ぎず、実際に聴いている曲と
「基準が一致する保証は一切ありません。」
そうして考えると、例えば前回の例のように
「3倍高密ピアノ」上で1/6音単位に移調した場合、
絶対音感のようにピッチがずれている、
あるいはピッチのずれが気持ち悪いと感じるのではなく、
逆に相対音感のようにピッチがずれていると
「感じないこと」
にこそ大きな意味があるのではないでしょうか?
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