「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

移動ド超入門~絶対音感と相対音感の違い(其の四)

 

ある曲を移調した場合、
多くの人は特に専門的な教育を受けていなくても、
当たり前のようにそれが同じ曲として認識されます。

しかし、移調した曲は物理現象として見れば
周波数が異なる明らかに別の曲です。

にもかかわらず同じ曲として認識されるのは、
人間が1次元ではなく、

「2次元のシステムで音を捉えている」

からだと私は考えています。

 

2次元のシステム上、移調と言う操作は

「縦軸のシフト」

になります。

 

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ここで重要なポイントは、

「移調は縦軸(調)だけが変化し、
 横軸(周波数比)は平行移動するだけで一切変化しない」

そして、人間の感覚は周波数比に対応しているため、

「縦軸(調)は違っても横軸(周波数比)が同じであれば、
 人間には同じ曲として認識される」

と言うことです。

 

ちなみに移調と言う操作を数学的に見ると、
半音上に移調するごとに各音の周波数に

2の12乗根≒1.059463

を掛けることになります(平均律の場合)。

移調は各音の周波数に同じ値を掛けるだけなので、
全体の(周波数)比は維持されます。

全体の(周波数)比が維持されると言うことは、

「合同だけではなく、相似も同じ図形として認識される」

感覚に例えることができます。

 

なお、

「トーン・ハイト」と「トーン・クロマ」

と言う2つの概念をこの2次元のシステムに当てはめると、

「縦軸をトーン・ハイト次元、横軸をトーン・クロマ次元」

として考えることができます(詳細はこちらの「クロマとは?」を参照)。

 

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つまり、

「移調はトーン・ハイトだけが変わり、トーン・クロマは変わらない」

そして、

「トーン・ハイトは違ってもトーン・クロマが同じであれば、
 人間には同じ曲として認識される」

と言い換えることができます。

(次回に続く・・・)

 

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