では、まず完全4度系から考えてみましょう。
そもそも、
「4度」
とは一体どんな音程でしょうか?
例えば「ド」の4度上は「ファ」ですが、
これは
「ド(1)、レ(2)、ミ(3)、ファ(4)」
つまり、
「4番目の音」
と言うことです。
チューニングが完全4度系と言うことは、
「4番目の音がちょうど次の弦の最初に来る」
と言うことです。
4番目の音が次の弦の最初に来ると言うことは、
「123」、「456」、「789」のように
1本の弦から3音ずつ拾っていくと、
「ドレミ」、「ファソラ」、「シドレ」~
つまり、
「ドレミファソラシド~」
が途切れなく続く1つのブロックが出来上がる
と言うことです。
上図は通称「3ノートパーストリング」の指板図ですが、
正にこの法則に従っていることが分かります。
3ノートパーストリングには全部で7ポジション存在しますが、
一般の教本では当然7つのポジションが
「別々の指板図」
で表示されています。
本書ではこれを上図の指板図にある細工をすることで、
7つのポジション全部を
「1つの指板図」
で簡単に確認できるようになります。
※1つの指板図上、各ポジションを違う色で
囲っているのは見掛けたことがありますが、
本書では色分けはではなく、全く別の方法で実現しています。
また、3ノートパーストリングでは、例えば上図のように
「ド」から始まるポジションと「レ」から始まるポジション、
2つの隣接ポジションを比較すると、グレーで囲った部分が
「全く同じパターン」
であることが分かります。
実は1つの指板図で確認することで
こうした情報の重複が排除され、
また隣接ポジションとの共通部分も捉えやすく、
ポジション同士の位置関係も把握しやすくなります。
3ノートパーストリングはどちらかと言えば
指板図から機械的に音を取り出したスケールで、
ギターには他にも実際の運指を考慮した、具体的には
・通称「固定式」(横のポジション移動が発生しない)
・通称「5ポジション」(ストレッチの指使いが発生しない)
があります。
本書では3ノートパーストリングの指板図を少し変形するだけで、
固定式も5ポジションも取り出せるようになります。
こうしたことができるのも1つの指板図だからこそ、
指板全体を大局的に捉えることができるからです。
興味のある方は是非読んでみてください。
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