絶対音感を実現する仕組みとしては、
「絶対音感は1つ1つの音高を記憶している」
具体的には、
「耳の蝸牛内の基底膜の振動位置を記憶している」
つまり、
「絶対音感は記憶の音感」
と言う説がありますが、
「絶対音感は感覚の音感」
だと私は考えています。
少なくとも絶対音感保持者は1つ1つの音高を
記憶にある音高と比較すると言った作業を
意識的に行うことはないでしょう。
おそらく絶対音感保持者は明るさや温度など
単純に1つの定量的な数値で表せるような感覚と同様、
単純に音が高い低いと言う感覚(周波数)で
音名を特定しているのではなく、
例えば色で言えば、
「赤」は「赤」、「青」は「青」
に見えるように、あくまでも
「ド」は「ド」、「レ」は「レ」と言う感覚
として音名が特定されているのではないでしょうか?
また、もし1つ1つの音高を記憶しているのであれば、
例えばピアノなら88鍵を満遍なく記憶させるような
訓練が必要になると考えられますが、
実際の絶対音感訓練ではごく限られた音域内で訓練するだけで、
それよりも広い音域で音名が特定できるようになることからも、
「1つ1つの音高を記憶している訳ではない」
と私は考えています。
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