相対音感では観測点(青いボール)において、
「赤いボールから時速20km、緑のボールから時速40km」
と言う速度を感覚として体感することはできますが、
「赤いボールと緑のボールの差が時速20km」
と言う値、つまり実際に緑のボールから時速20kmと言う
速度を感覚として体感することはできないため、
「40マイナス20」と論理的に計算することになります。
相対音感と言うと、どの音からでも一様に音程を測ることができ、
そしてその音程自体が、例えば
「長3度は明るく、短3度は暗い」
と言ったイメージを持っていると思い込んでいませんか?
では、みなさんに質問です。
「階名上、長3度の『ミ♭ソ』は明るいですか?」
「階名上、短3度の『ミソ』は暗いですか?」
「座標軸の違い」
であって、相対座標に観測点が存在するように
相対音感にも観測点が存在します。
そして、相対音感が感覚として体感しているのはあくまでも
「観測点からの速度」
つまり、
「基準音との周波数比」
であって、みなさんが思い込んでいる音程のイメージと言うのは、
例えば長3度であれば「ドミ」、短3度であれば「ドミ♭」のように
「基準音からの音程が持つイメージ」
のことではないでしょうか?
そしてもう1つ重要なポイント、それは
「曲を通して観測点は1つ」
と言うことです。
観測点が1つだからこそ、曲を通して同じ高さの音は
一貫して同じ音、「ド」は「ド」、「レ」は「レ」として
認知されることになります。
音を比較するたびに観測点が変わってしまっては
曲を通しての一貫性が保たれません。
ただし、曲の中で観測点が変わることもあります。
それがいわゆる
「転調」
です。