音感の教本に限らず楽器の教本も音名(固定ド)で
説明されているものが多いのではないでしょうか?
特に絶対音感保持者の書いた本は音名(固定ド)で
説明されているものが多いようです。
中には五線譜を音名で読むことで、
「音名で音が聴き取れるようになる」
と言った説明が書かれている本もありましたが、
五線譜を音名で読むことで果たして本当に音名で
音が聴き取れるようになるのでしょうか?
音名で音が聴き取れると言うことは、言い換えれば
「絶対音感が身に付く」
と言うことです。
しかし、実際には絶対音感には「臨界期」があって、
幼児のうちに身に付けなければ身に付かない能力と
言われており、明らかに矛盾します。
また、幼児期に行われる絶対音感訓練でも、
五線譜を音名で読ませるような訓練で
絶対音感が身に付く訳ではありません。
強いて言えば「調(Key)」と言う概念を通じて、
階名を要領よく瞬時に
「論理的に音名に変換」
できるようになる人はいるかも知れませんが、
それは決して音名そのものを聴き取れるように
なった訳ではありません。
実はこのように、
「人間の感覚で捉えるべき部分と
論理的に考えるべき部分の切り分け」
が音感を考える上で非常に重要になります。
そこで本書では音感を中心としたデータの流れを
単純にモデル化し、どう考えるべきかを図説を
交えて説明しています。
興味のある方は是非読んでみてください。
(了)
固定ド/音名教育と天動説
(其の六)