周波数比を捉えるための基準が特定のピッチに固定された
「スタティック(静的)な音感」と
周波数比を捉えるための基準がフレキシブルに移動する
「ダイナミック(動的)な音感」、
それが音楽的に優れた能力かどうかと言う議論はさて置き、
単純に脳の処理として考えたとき、
後者の方がより高度で複雑な処理を
必要とすることは明らかです。
絶対音感を持った動物が存在すると言う報告もあるようですが、
それはその動物が人間ほど知能が発達していないためだと
考えられます。
ところでこの2つの音感、
スタティックな音感とダイナミックな音感は
共存できるのでしょうか?
もし2つの音感が共存するのであれば、
周波数比を捉えるための基準(観測点)が2つ必要になります。
「音名(固定ド)の『ド』を『ド』と感じる感覚」
と
「階名(移動ド)の『ド』を『ド』と感じる感覚」、
この2つの感覚が共存することになります。
絶対音感は「階名の『ド』を『ド』と感じる感覚」、
つまりダイナミックな音感の発現が抑制されることで
スタティックな音感が維持され、
音名を判別できるようになると考えられます。
よって、絶対音感保持者が音名を判別でき、
なおかつ階名を判別するためには
ダイナミックな音感の発現を抑制したまま、
ダイナミックな音感とは全く別の次元、別の仕組みで
階名を判別する必要があると私は考えています。
続「絶対音感は左脳が発達」のウソ