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「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

絶対音感の終焉(其の三)

 

絶対音感

「移調に弱い」

と言われることがあります。

 

実際、絶対音感者は
移調したメロディを同じメロディと判別できなかったり、
移調した伴奏、例えばカラオケのキーを変更すると、
それに合わせて歌うことができないと聞きます。

 

そして、絶対音感者がこのような移調に対応するためには、

絶対音感訓練」

を終えた後に、今度は

「相対音感訓練」

称する訓練を行う必要があるようです。

 

一方、絶対音感者は何の訓練をすることもなく
移調したメロディは同じメロディだと判別できます。

また、移調した伴奏でも(頭を使うことなく感覚的に)
自然と合わせて歌うことができます。

つまり、本来人間は

「訓練しなくても移調に対応する能力を持っている」

と考えられます。

 

絶対音感は強固にラベリング(音高と音名が紐付け)されているために
移調が難しいと言う話を聞いたことがありますが、
私は全く別の理由が原因だと考えています。

 

「其の二」で述べた通り、「調性音感」
トーン・クロマ次元がトーン・ハイト次元から完全に独立しているため、
移調してもトーン・ハイト(周波数)がシフトするだけで、
トーン・クロマ(周波数比)は何ら影響を受けず、
感覚的に同じメロディとして認識されます。

 

一方、「固定音感」
トーン・クロマ次元がトーン・ハイト次元から独立していないため、
移調するとトーン・ハイトがシフトすると同時に
トーン・クロマもシフト、つまりクロマが変わってしまい
感覚的に別のメロディとして認識されてしまうと考えられます。

 

そして、固定音感が移調に対応するためには調性音感のように
感覚的に(周波数比を捉えるための)基準を動かすことはできないため、
実は訓練によって

「論理的に基準を動かしている」

のではないかと、
これがいわゆる絶対音感者の称する

絶対音感と相対音感の共存

の正体だと、
表面的な結果としては同じように移調できているように見えますが、
実はその実現方法

「似て非なる全く別の行為」

ではないかと私は考えています。

(次回に続く・・・) 

 

絶対音感の終焉

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(其の六) (其の七) (其の八) (其の九) (まとめ)