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「絶対音感の終焉」

のんびり気ままにゴーイングマイウェイ ~Blog by 川本零~

高性能な相対音感?~仮性絶対音感と潜在的絶対音感(其の四)

残念ながら既にサイトは閉鎖されているようですが、みなさんはAGF(味の素ゼネラルフーズ)さんの 「3倍高密ピアノ(Music of THE TRIPLE)」 と言う企画があったのを覚えていますか? 「3倍高密ピアノ」とは?1オクターブを36分割(通常のピアノは12分割)…

高性能な相対音感?~仮性絶対音感と潜在的絶対音感(其の三)

以前、 「自分は相対音感だから調につられてしまう、 あるいは調に引っ張られてしまう」 そんな内容のツイートを見掛けたことがあるのですが、この調につられる、引っ張られると言う感覚は前回の 「縦軸(基本周期)の変化」 によって生じると考えられます。…

高性能な相対音感?~仮性絶対音感と潜在的絶対音感(其の二)

もし仮に音を1つ、例えば 「440Hzの音叉の音」 を記憶したとします。当然、440Hzの音はイメージできるでしょう。しかし、どうしたら440Hzの音を1つ記憶することで、 「440Hz以外の音」 をイメージ、またその音名を特定できるのでしょうか? 一般的に相対音…

高性能な相対音感?~仮性絶対音感と潜在的絶対音感(其の一)

以前、テレビでバイオリニストの葉加瀬太郎さんが、ご自身は正確には絶対音感ではなく、 「高性能な相対音感」 と言うユニークな表現を使われていましたが、ご覧になった方も多いのではないでしょうか? 具体的には、 「『ラ』(バイオリンのA線)の音から…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の八)

「其の五」に登場した法則、 「ド○」は全て長音程(4、5度は完全音程) これは別の見方をすると、 「メジャースケール(アイオニアンスケール)」 の構成音の音程を表しています。 同様に、 「ミ○」は全て短音程(4、5度は完全音程)「ファ○」は全て長音程…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の七)

前回、変化記号の付いたパターンを取り上げましたが、変化記号に対しては別の考え方もあります。 5度音列も実際には「ファドソレラミシ」だけではなく、その後には、 「ファドソレラミシファドソレラミシファドソレラミシ」 ############## →シャー…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の六)

前回までは全て変化記号の付かないパターンでしたが、今回は変化記号の付いたパターンを考えてみましょう。 と言っても、 「#は音を半音高く、♭は半音低くする記号」 なので、変化記号がXとYのどちらに付くかによって、音程が半音狭く、あるいは広くなる…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の五)

【5度音列による長音程、短音程の見分け方】 5度音列を「ファ<ド<ソ<レ<ラ<ミ<シ」とすると、2音X、Y(低い音をXとする)は、 X<Yなら長音程(5度は完全、4度は増音程) Y<Xなら短音程(4度は完全、5度は減音程) この判断条件は簡単…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の四)

では、今度は42通りの組み合わせを度数ごとに、そしてここがポイント、基準の音を 「ファドソレラミシ」 つまり、「5度音列」の順に並べてみましょう。 長2度 長3度 増4度 完全5度 長6度 長7度 ファソドレソラレミラシミファシド ファラドミソシレファラド…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の三)

では、「ドレミファソラシド」から考えられる42通りの組み合わせを書き出してみましょう。 短2度~増4度 減5度~長7度 短2度 ミファシド ⇔⇔ ファミドシ 長7度 長2度 ドレレミファソソララシ ⇔⇔⇔⇔⇔ レドミレソファラソシラ 短7度 短3度 レファミソラドシレ ⇔…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の二)

では、まずギターの弦(ここでは1本だけ)に着目し、「ドレミファソラシド」の並びを確認してみましょう。 五線譜や鍵盤楽器の上では「ドレミファソラシド」が視覚的(距離的)に等間隔に見えますが、実際には、 「『ドレミファソラシド』は等間隔に並んで…

5度音列による長音程、短音程の見分け方(其の一)

みなさんの中には、 「音程計算が苦手」 と言う人もいるかも知れませんが、そんな人でも 「ドレ」は長2度「ドミ」は長3度「ドファ」は・・・ と言った具合に、 「『ド』を基準とした音程」 だけは音程計算することなく、瞬時に答えられる人も多いのではない…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十五)

手品ではお決まりの文句、 「種も仕掛けもありません」 ですが、実際には手品に限らず物事には種も仕掛けも、言い換えれば、 「原理や仕組み」 があるはずです。 では、どんな原理なら正確な音を取れるでしょうか? その真偽は別として、 「絶対音感は音の高…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十四)

1オクターブ離れた「ド」の音は物理的には明らかに高さ(周波数)の異なる別の音です。 また、同様に移調された曲は物理的には明らかに高さ(周波数)の異なる別の曲です。 にもかかわらず、人間にはどちらも同じ「ド」の音、あるいは同じ曲として認知され…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十三)

そもそも曲の中には、 「この音が調(調性上の主音)ですよ」 と言った目印がある訳でもないのに、 「どうして基本周期が自然と調に設定されるのか?」 今回はそんな基本周期、そして調性音楽の不思議をほんの少しだけ考えてみたいと思います。 まずはゲシュ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十二)

絶対音感と相対音感が共存可能だと仮定すると、実はいくつかの実現パターンが考えられます。 1つ目は、 「固定された音名のものさしと伸縮する階名のものさし、 この2つのものさしが完全に独立した仕組み、次元」 具体的には例えば仮説①のように、 「音名…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十一)

「Cメジャースケール」と「Dメジャースケール」 前者は基本周期を「C」、後者は「D」、つまり、調に合わせて周波数成分の分析を行うと、周波数成分sin ntのnはどちらも同じ、 「n=1,9/8,5/4,4/3,3/2,5/3,15/8,2(純正律の場合)」 になります(これは「…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二十)

もし絶対音感保持者の中に、 「ものさしが伸縮する感覚が分からない」 と言う人がいてもそれは何ら不思議なことではなく、なぜなら絶対音感の習得には相対音感が発現していない、言ってみれば、 「ものさし(≒基本周期)が伸縮しないこと」 が前提条件とされ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十九)

みなさんの中には移調楽器と聞いて、 「相対音感が必要、あるいは相対音感が鍛えられる」 そんなイメージを持っている人もいるかも知れませんが、移調楽器と言うのは単にこのように、 音名のシラブル(ラベル)が論理的にスライドする、例えば「B♭」→「C」…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十八)

ここで、 「周波数と音名と階名の関係性」 について改めて考えてみたいと思います。 上図は何となく私が予想する一般的なイメージですが、実際には周波数上、半音は等間隔に並んでいないため、目盛りをそのままスライドしても目盛りが合いません。 音律は周…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十七)

実は基本周期となる音名(周波数)が求まらなくても、周波数成分sin ntのnだけで音名を判別する方法が1つだけ考えられます。 それは、 「相対音感のように基本周期が調に合わせて伸縮しない」 つまり、 「基本周期が特定の音名(周波数)に固定されている」…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十六)

「絶対音感保持者=優れたフーリエ解析能力の持ち主」 そんなイメージを持っている人もいるかも知れませんが、もし実際に絶対音感がフーリエ解析に相当する 「周波数成分の分析を介して実現されている」 のであれば、音名を判別するためにはまず、 「基本周…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十五)

絶対音感は合成波から取り出された個々の周波数成分から直接(周波数成分を分析する前に)音名を判別している、つまり、 「周波数成分の分析を介さずに実現されている」 と仮定してみましょう(仮説①)。 この段階ではまだ合成波から周波数成分を取り出すだ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十四)

「絶対音感と相対音感は共存できるか?」 この問題に対しては、 「別々の能力だから共存できる」 と言う意見、反対に 「排他的な能力だから共存できない」 と言う意見、どちらも見掛けたことがありますが、絶対音感と言うものが、また相対音感と言うものが科…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十三)

相対音感は単純に音が高い低いと言う感覚、つまり、 「トーン・ハイト層で実現」 されていると考えている人も多いかもしれませんが、フーリエ解析に相当する周波数成分の分析を通して、つまり、 「トーン・クロマ層で実現」 されていると私は考えています。 …

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十二)

コンピュータの世界には7つの階層で構成される 「OSI参照モデル」 と呼ばれる通信機能に関するモデルがあるそうですが、音感についてもこのOSI参照モデルのように、 「いくつかの階層」 に分けて考えてみたいと思います。 まず「其の二」では、 「人間の耳…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十一)

フーリエ解析とは一見何ら関係ない話題のようですが、今回は音を外す原因、いわゆる 「音痴の原因」 について考えてみたいと思います。 では、音を外す原因を 「頭の中に正しい音高をイメージできているか?いないか?」 この2つに大別してみましょう。 ま…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の十)

人間が絵や模様、風景と言った視覚情報に対して、 「美しい」 と感じる要因は様々だと思いますが、その1つに 「比」 と言う概念が挙げられるのではないでしょうか? 「黄金比」や「白銀比」はその分かりやすい例ですが、人間は絶対的な大きさに対して、例え…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の九)

これは「2のべき乗」に対して目盛りを振ったものさしですが、音楽を測定するときはこのものさしが非常に役に立ちます。(2の0乗は1、2のマイナス1乗は1/2になります) 例えば1拍(4分音符)の長さを「1」と考えると、音価はこのように表すことが…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の八)

物の量は適切な単位で測定するからこそ意味があります。例えば「拍」を単位に設計されたリズムは「秒」ではなく、「拍」で測定するからこそ音楽的な意味が見えてくるように、音の高さも 「人間にとって意味のある単位」 で測定するからこそ初めてそこに音楽…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の七)

みなさんはポンと1音だけ提示されたときその音価を、つまり、 「何音符なのか?四分音符なのか?八分音符なのか?」 を判別できますか? 「音の長さ」は音のまとまり(ゲシュタルト)の中で初めて四分音符、八分音符と言った判別が可能になる、つまり、 「…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の六)

調が変わる度に単位となる基本周期が伸縮してしまったら、 「一貫した正確な量を測れなくなってしまうのでは?」 と心配する人がもしかしたらいるかも知れませんが、実は誰もが当たり前のように、 「単位を伸縮することで柔軟に対応」 している音楽的な要素…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の五)

わざわざフーリエ解析を引き合いに出すまでもなく、 「比の基準が定まらなければ比を取ることができない」 これは、例えば長さの単位「メートル」であれば、3mは1mの3倍、1kmは1000倍と言った具合にその量は全て「単位に対する比」で表されますが、つ…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の四)

フーリエ変換の基本は一定の周期を持った 「周期関数」 ですが、一定の周期を持つと言うことは、 「同じ音の繰り返し」 と言うことです。 一方、音楽は時間の経過と共に使われる音が変化する、つまり一定の周期を持たない 「非周期関数」 で表されます。 で…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の三)

合成波から取り出された周波数成分の分析が、 「人間の脳内でどのように行われているのか?」 についてはまだ科学的に解明されていないと思いますが、ここでは、 「フーリエ解析」 に当てはめて考えてみたいと思います。 青い波はオレンジの波の2倍の周波数…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の二)

では、絶対音感や相対音感を身に付けるためには、 「フーリエ変換をマスターしなければならないのか?」 と言えば、もちろんそんなことはありません。 絶対音感には臨界期があると言われていますが、 「絶対音感保持者は全員6、7才までに 三角関数や微分積…

絶対音感と相対音感とフーリエ変換(其の一)

もしかしたらみなさんの中にも、 「聖徳太子は10人の話を同時に聞き分けられた」 と言う逸話から一度くらいは、 「聖徳太子は優れたフーリエ変換能力の持ち主だったのでは?」 と考えたことのある人がいるのではないでしょうか? 音は空気などの振動によっ…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の十)

おそらく多くの人は感覚上、 「音程と言う概念が単独で存在している」 と考えているのではないでしょうか? しかし、 「調性が分かるからこそ音程が分かる」 と言うことはあくまでも音程は調性上の概念、つまり、 「音程は調性と言うゲシュタルトの一要素に…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の九)

前回、曲を通して一貫して 「ド」は「ド」、「レ」は「レ」 のように同じ高さの音は同じ音として認識されるのは音の観測点が1つだからこそと言う話をしましたが、では具体的に 「何を観測点としているのでしょうか?」 結論から言えば、それは 「調、つまり…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の八)

例えば下図のように4つの点が 「和声的音程のように同時に提示」 された場合、四角形をイメージできませんか? では、今度は下図のように4つの点が 「旋律的音程のように別々に提示」 された場合はどうでしょうか? やはり四角形をイメージできませんか? …

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の七)

n音X、Y、Z、・・・がX→Y→Z→・・・の順に(別々に)鳴ったとき、 ①Xが鳴ったとき、Xが記憶される ②Yが鳴ったとき、記憶にあるXと比較される、 と同時にYが記憶される ③Zが鳴ったとき、記憶にあるYと比較される、 と同時にZが記憶される・・・…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の六)

旋律的音程のように時系列上、別々に鳴った音を 「時間を跨いで」 比較し、その協和を感じ取るためには、 「記憶が介在」 していると予想されますが、では具体的にはどのように実現されているのでしょうか? まずは単純に2音のケースで考えてみましょう。 …

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の五)

2音X、Yがコードやハーモニーのように同時に鳴ったとき、つまり、 「和声的音程」 の場合、当然2つの音が同時に鳴ってるため、2つの音を単純に比較することができます。 これは2つの点が同時に提示されたとき、その位置関係を把握するのに似ています。…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の四)

2音X、Yがコードやハーモニーのように「同時」に鳴ったとき、XとYの音程を 「和声的音程」 と言います。 また、2音X、Yがメロディのように「別々」に鳴ったとき、XとYの音程を 「旋律的音程」 と言います。 「其の一」、「其の二」、「其の三」で…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の三)

長三和音の第1転回形には、 「短3度」と「短6度」 の2つの短音程が含まれているのに対し、長音程は1つも含まれていませんが、 「転回前と変わらず明るい雰囲気」 を保っています。 和音の転回を「音程」と言う視点から見てみると、和音を構成する音程の…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の二)

長三和音も短三和音も順番の違いこそあれ、 「長3度」、「短3度」、「完全5度」 と全く同じ3つの音程で構成されていますが、 「長3度と短3度の順番を入れ換えるだけ」 でどうして和音の雰囲気が変わってしまうのでしょうか? まず1つ考えられるのは、…

長三和音と短三和音の不思議~音程の観測点(其の一)

みなさんの中には、例えば ・長3度は明るい・短3度は暗い と言った具合に 「音程ごとにイメージ」 を持っている人も多いのではないでしょうか? 実際、 「長三和音を聴けば明るい雰囲気、 短三和音を聴けば暗い雰囲気」 を感じる人も多いと思います。 しか…

絶対音感保持者からの反論(其の二十四)

宮崎謙一教授の『絶対音感神話』にも 「操作的定義」 と言う言葉が登場しますが、どうも一般的には 「表面的な結果」 によって絶対音感/相対音感の有無を判断することが多いのではないでしょうか? 絶対音感神話: 科学で解き明かすほんとうの姿 (DOJIN選書)…

絶対音感保持者からの反論(其の二十三)

ところで、どうして 「相対音感はトーン・ハイトで音を判別している」 と言った説が広まっているのでしょうか? 1つ考えられることは、絶対音感のない人が 「音名当て」 を行う場合、 「相対音感のトーン・クロマは階名/移動ドに対応」 しているため、当然…

絶対音感保持者からの反論(其の二十二)

絶対音感と聞くと、何となく高さ(トーン・ハイト)と言う 「定量的な概念」 を絶対的に捉えることで実現されているようなイメージを持っている人も多いかも知れませんが、前回のように協和(トーン・クロマ)と言う 「定性的な概念」 を絶対的に捉えること…