の解説編です。
が音律による周波数の微妙な違いを聴き分ける、
「精度のテスト」
なら本テストは同時に鳴った音を聴き分ける、
「分離能力のテスト」
と言ったところでしょうか?
まずは長三和音の転回形を聴き比べてみましょう。
・基本形は根音を最低音とした「ドミソ」
・第1転回形は基本形の「ド」を1オクターブ上げて
第3音を最低音とした「ミソド」
・第2転回形は第1の「ミ」を1オクターブ上げて
第5音を最低音とした「ソドミ」
次に短三和音の転回形を聴き比べてみましょう。
・基本形は根音を最低音とした「ドミ♭ソ」
・第1転回形は基本形の「ド」を1オクターブ上げて
第3音を最低音とした「ミ♭ソド」
・第2転回形は第1の「ミ♭」を1オクターブ上げて
第5音を最低音とした「ソドミ♭」
上記は純正律の和音でしたが、
試しに平均律バージョンも作ってみました。
長三和音(平均律)
短三和音(平均律)
もしかしたら、
「平均律のほうが耳に慣れている」
あるいは、
「協和していないために音が分離して聴こえる」
と言った理由で平均律のほうが転回和音を
聴き分けやすい人もいるかも知れません。
ちなみに以前、
でも取り上げましたが、長三和音の第1転回形は
最低音との音程が「短3度+短6度」になるのに
決して暗い響きには聴こえません。
また、短三和音の第1転回形も同様に
最低音との音程が「長3度+長6度」になるのに
決して明るい響きには聴こえません。
このことからも、
「相対音感はただ漠然と音程と言う概念で
音を捉えている訳ではない」
ことが窺えます。(了)